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《私の本棚 第十八》 1998年(平成10年)9月
「アイヌ神謡集」 知里幸惠 編訳
知里幸惠さんはアイヌの子として生まれ、金田一京助氏にその才能を見いだされた女性です。頭脳明晰で文章力
にも優れた人であったと言うことですが、19才で亡くなられました。この神謡集は、アイヌの人によりアイヌ語を日本語に訳 した唯 一の記録であると言うことです。 全体としては、アイヌの人々が自然と渾然一体として生きてきたことを感じます。木や草や動物・石や船など全ての物や
生命には神が宿る。その神は限りなく優しく、時としての怒りの中にも深い愛がある。アイヌの人々は、自然の中に我が身 を置いて、自然の恵に感謝し、神の贈り物に感謝し、自分たちが生きる糧にしている動物も人間と何ら変わらない生き物と して見ている。狩りに出かけたときに獲物が捕れるのは、自分の腕が良かったのではなく、動物が自ら獲物になることを願 ってくれたから。人間同士の争いもなく、金持ちも貧乏人も皆等しい。 遙かな昔から、厳しい自然の中で協力しあって生きてきた人たちの、万物に対する優しさと感謝の気持ちが伝わってきま
す。 |
【本文との関係---特になし】
(2012.1 画像データ縮小)