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《私 の 本 棚
第二》 1997年(平成9年)5月
「人生論ノート」
三木清
著
中学一年生になった時、国語担当のF先生がこの「三木清(参考)の人生論ノート」を紹介して下さいました。 先生は大
変な読書家で、かつ速読の達人だったと記憶しています。なにしろ電車一駅の間に岩波文庫の星一つ(当時は星の数で 定価がついていて、百頁あまりの一番薄いもの)なら読めるということでした。同じく国語担当のK先生、理科担当のS先生 の三人は、ともすれば軌道を外しがちな生徒を懸命に指導する良い先生達でした。 話がそれてしまいましたが、当時私は雑誌付録の格言俚諺集をしきりに読んでいました。だいたいこの位 の年頃は皆 似た様なもので、友人も大抵は読んでいたようです。 そんな折、国語の授業時間にこの「三木清の人生論ノート」を知ったのです。薄い文庫本なのですが、中は「旅につい て」・「死について」・「自然について」などのテーマを掘り下げて考え論述されていました。いくら入門書といっても相手は哲 学書ですから、中一の自分の力で簡単に飲み込めるものではありません。判らない言葉も多く、辞書を引いては書き込み をし何十回となく読み返したものです。 そんな努力?の甲斐あってか、翌年は中村草田男という俳人の「冬の水一枝の影も 欺かず」 と言う句を即座に理解 できるようになっておりました。あまり子供らしくなかったのかも知れません。しかしこのような本の読み方、対象物を考察 するという習慣は、今になっても大変役に立っていると思います。 |

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