《私の本棚 第三十七》     2000年(平成12年)4月

     

「八十日間世界一周」  ジュール・ベルヌ            

「空想科学小説」今では死語に近い言葉で、一般にはSF小説と呼んでいます。現代のSF小説は読んだことがありま

せんが、ベルヌのような作家はなかなか出てこないかも知れません。空想と言う言葉からは、何か現実には起こり得な

い絵空事と言う感じを受けますが、彼の作品はほぼ現実になっています。そんな事は出来ないだろう、もし出きればい

いなと言う読者の気持ちと、海外旅行など夢の夢と言う時代を背景にしてパリで作品を発表し続けました。

 「五週間の風船旅行」は、その十ヶ月後に大気球を打ち上げた人がいるそうですし、今では無着陸世界一周を試み

る人がいます。「八十日間世界一周」は、1872年当時は不可能な事でしたが、今では勿論可能です。「海底2万

マイル」では高性能潜水艦ノーチラス号が活躍しますが、潜水艇そのものが研究中でした。八十日間世界一周の主人

公フィリアス・フォッグ氏は、非常に律儀で几帳面な人物に描かれていますが、ジュール・ベルヌ本人も大変律儀な性

格であったと言うことです。

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梅,うめ


夕日に染まる白梅