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《私の本棚 第四十四》 2000年(平成12年)11月 「三国志」 吉川英治 著もとは「三国志演義」と題して、羅貫中が書きました。魏、呉、蜀の三国興亡の史実を物語化したものですが、四割方 は虚構とされています。中国のこうした書物を読んでいて感じるのは、スケールの大きさです。中国大陸の広さにもよる のでしょうが、とにかく雄大なテンポです。更に又、必要とあらば全員紹介しようというわけでもないと思いますが、その登 場人物の多さには圧倒されます。 『死せる孔明、生ける仲達を走らす』という段に、何故か格別記憶があります。諸葛亮孔明も司馬懿仲達も共に一級の軍事戦略家です。お互いに占星術、その他各種の占いにも秀でています。二人の実力は伯仲。一進一退の攻防。そんな 中、孔明は己の死期を悟り、仲達を欺く策を授けます。 仲達はある夜大きな流れ星を観て、孔明の死を察知し攻撃をかけます。しかし、孔明の陣地では誰も悲しむ者は無く、 そんな気配は微塵も感じられません。仲達は自分の占星が誤ったと考え、千載一遇のチャンスを逃し、後に敗れます。 西暦234年。時に日本は卑弥呼、邪馬台国の時代。 歴史上の大きな転換点では、いつの時代でも、些細な事がきっかけになったのでしょう。
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