《私の本棚 第五十七》  

平成13年12月    「アラビアン・ナイト」  説話集

 

千夜一夜物語という名前でも呼ばれています。この中の、アリババと四十人の盗賊、シンドバッド、アラジンと魔法のラン

プなどはそれ自体が子供向けの話として有名です。本来は読み物ではなく語り物としてアラブの民衆に親しまれてきたそう

です。物語の構成としてはよくご存じのように、兄弟の王が共に妻の不倫から女性不信に陥ってしまう。その不倫のチャン

スをなくすために、妃を迎える度に翌日には殺す事を繰り返した。聡明な妃シャハラザードは、毎夜面白い話を聞かせて

王の歓心を引き、遂にその愚かさを悟らせるというものです。

 この本は「お上品でない」話が沢山でてきて、オジサン達にも面白い。かといってそればかりではなく、含蓄に富んだ話も

沢山あるし、アラブ世界の風俗なども垣間見ることができます。読み進めていくと良くできた話もありますが、随分と構成の

まずい物もあります。明らかに時代が現代に近いという感じを受ける話もあります。数字に関する表現は大げさなものも

多く、中国の「白髪三千丈」に似たものが沢山含まれています。商人や王様は随所に登場しますし、アラーの神を讃える言

葉で信仰心の強さはひしひしと感じます。今世界中の関心を集めているイスラムの神です。「全知全能のアラーの神よ」

「アラーに誓って」「最高至上の神アラー」など随所に出てきます。文化の異なる変わった読み物です。

 ちくま文庫で全11巻、およそ7千頁に及びます。

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