《私の本棚 第六十三》   平成14年6月  

          春 望
 (七五七年作)  杜 甫  

       国破山河在         国破れて 山河在り

       城春草木深       城春にして 草木深し

         

       感時花濺涙       時に感じては 花も涙を濺(ソソ)ぎ

       恨別鳥驚心       別れを恨んでは 鳥も心を驚かす

        

       烽火連三月        烽火 三月に連なり

       家書抵万金       家書 万金に抵たる

       白頭掻更短       白頭 掻けば更に短く

       渾欲不勝簪       渾(スベ)て簪(シン)に勝(タ)えざらんと欲す

          

          訳・・・この国はめちゃめちゃだが、山河はいつもと変わりない

              城内には今年も春がめぐり来て深々と緑の草木を茂らせる(しかし、どこか暗いかげ)

              この世の痛ましさに感じてか、花もさめざめ涙をそそぎ

              人々の辛い別れを惜しんでは、鳥も胸をふるわせる

              戦火が上がってから、今はもう三月

              もし離散したままの家族の手紙が届くなら、これに勝る宝は無い

              憂いのために白髪をかきむしれば、ますます髪は薄くなり

              もう殆ど、かんざしも挿せない位だ

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