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《私の本棚 第七十七》 平成15年8月 「羅生門」 芥川 龍之介 作大変読みやすい文章で、その場の情景が素直に浮かんできます。死人の髪の毛を抜いてかつら製造業者へ売ろうとする鬼 のような行いをする老婆と、寒空の季節にその老婆の衣服を剥いで売ろうとする下人。髪を抜かれている死人は、蛇の干物を 魚の干物と偽って売っていた女という設定です。皆、「生きる」という事のために自分以外の者のことには何ら関心を払わない 極限の状況が見えます。 老婆は、「この女は蛇というおぞましい生き物を魚と偽って売っていたのだから、死んだあと髪の毛を抜かれることくらいは何 でもない」と言い、下人は「お前がそう言うのなら、自分もお前の着物を剥いで売らなければ餓死するのだ」と言います。究極の エゴです。 この作品の素になったのは、平安時代に書かれた「今昔物語」の中の二つの話です。今昔物語は、語り継がれた昔話と表 現されていますが、当時の羅生門(正しくは羅城門)から南は湿地帯が広がって人が住めない地域だったようです。現在のJR 京都駅よりやや南ということになります。実際に飢饉と疫病で地獄絵図が繰り広げられていた事もあるようです。今昔物語で は、その下人も泥棒をしようとして摂津国から上京したことになっています。 祇園祭は、疫病や飢饉の平癒を願って平安時代初期に始まったといわれています。
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祇園祭り 山鉾巡行(南観音山)
【本文との関係---地理】