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指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成12年3月17日 老企第43号)
(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)

 介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第88条第1項及び第2項の規定に基づく「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(以下「基準省令」という。)については、平成11年3月31日付け厚生省令第39号をもって公布され、平成12年4月1日より施行されるところであるが、基準の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。


目次(原文にはありません)
第1 基準省令の性格
第2 人員に関する基準
第3 設備に関する基準
第4 運営に関する基準
第5 ユニット型指定介護老人福祉施設
第6 一部ユニット型指定介護老人福祉施設

第1 基準省令の性格

1 基準省令は、指定介護老人福祉施設がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指定介護老人福祉施設は、常にその運営の向上に努めなければならないこと。

2 指定介護老人福祉施設が満たすべき基準を満たさない場合には、指定介護老人福祉施設の指定は受けられず、また、運営開始後、基準省令に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものであること。
 ただし、次に挙げる場合には、基準省令に従った適正な運営が出来なくなったものとして、直ちに取り消すことができるものであること。
 [1] 次に掲げるときその他の指定介護老人福祉施設が自己の利益を図るために基準省令に違反したとき
  イ 指定介護福祉施設サービスの提供に際して入所者が負担すべき額の支払いを適正に受けなかった時
  ロ 居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に対して当該施設を紹介する事の対償として、金品その他の財産上の利益を供与したとき
  ハ 居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受したとき
 [2] 入所者の生命又は身体の安全に危害を及ぼすおそれがあるとき
 [3] その他[1]及び[2]に準ずる重大かつ明白な規準省令違反があったとき

3 運営に関する基準に従って事業の運営をすることができなくなったことを理由として指定が取り消された直後に再度当該施設から指定介護老人福祉施設の指定の申請がなされた場合には、当該施設が運営に関する基準を遵守することを確保することに特段の注意が必要であり、その改善状況等が確認されない限り指定を行わないものとすること。

第2 人員に関する基準(基準省令第2条)

1 生活相談員

 生活相談員の資格については、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第46号)第5条第2項によること。

2 栄養士

 基準省令第2条第1項ただし書に規定する「他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該指定介護老人福祉施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないとき」とは、隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(栄養改善法第9条第1項に規定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合であること。

3 機能訓練指導員

 基準省令第2条第7項の「訓練を行う能力を有すると認められる者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、入所者の日常生活やレクリエーション、行事等を通じて行う機能訓練指導については、当該施設の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えないこと。

4 介護支援専門員

(1)介護支援専門員については、その業務に専ら従事する常勤の者を1人以上配置するものとする。したがって、入所者が100人未満の指定介護老人福祉施設であっても1人は配置しなければならない。また、介護支援専門員の配置は、入所者の数が100人又はその端数を増すごとに1人を標準とするものであり、入所者の数が100人又はその端数を増すごとに増員することが望ましい。ただし、当該増員に係る介護支援専門員については、非常勤とすることを妨げるものではない。

(2)介護支援専門員については、入所者の処遇に支障がない場合は、当該指定介護老人福祉施設の他の職務に従事することができるものとする。この場合、兼務を行う当該介護支援専門員の配置により、介護支援専門員の配置基準を満たすこととなると同時に、兼務を行う他の職務に係る常勤換算上も、当該介護支援専門員の勤務時間の全体を当該他の職務に係る勤務時間として算入することができるものとすること。
 なお、居宅介護支援事業者の介護支援専門員との兼務は認められないものである。ただし、増員に係る非常勤の介護支援専門員については、この限りでない。

5 サテライト型居住施設には、医師又は介護支援専門員(以下「医師等」という。)を置かないことができる場合があるが、その場合には、本体施設の入所者とサテライト型居住施設の入所者の合計数を基礎として本体施設に置くべき医師等の人員を算出しなければならない。例えば、本体施設の入所者数を80名、サテライト型居住施設の入所者数を29名とすると、サテライト型居住施設に医師を置かない場合には、合計数である109名を基礎として本体施設の医師等の人員を算出することとする。

6 用語の定義

(1)「常勤換算方法」

 当該指定介護老人福祉施設の従業者の勤務延時間数を当該施設において常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)で除することにより、当該施設の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。

(2)「勤務延時間数」

 勤務表上、当該指定介護福祉施設サービスの提供に従事する時間として明確に位置付けられている時間の合計数とする。なお、従業者1人につき、勤務延時間数に算入することができる時間数は、当該施設において常勤の従業者が勤務すべき勤務時間数を上限とすること。

(3)「常勤」

 当該指定介護老人福祉施設における勤務時間が、当該施設において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)に達していることをいうものである。当該施設に併設される事業所の職務であって、当該施設の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれに係る勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。例えば、指定介護老人福祉施設に指定通所介護事業所が併設されている場合、指定介護老人福祉施設の管理者と指定通所介護事業所の管理者を兼務している者は、その勤務時間の合計が所定の時間数に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。

(4)「専ら従事する」

 原則として、サービス提供時間帯を通じて当該指定介護福祉施設サービス以外の職務に従事しないことをいうものである。この場合のサービス提供時間帯とは、当該従業者の当該サービスに係る勤務時間をいうものであり、当該従業者の常勤・非常勤の別を問わない。

(5)「前年度の平均値」

 [1] 基準省令第2条第2項における「前年度の平均値」は、当該年度の前年度(毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の入所者延数を当該前年度の日数で除して得た数とする。この算定に当たっては、小数点第2位以下を切り上げるものとする。

 [2] 新設(事業の再開の場合を含む。以下同じ。)又は増床分のベッドに関して、前年度において1年未満の実績しかない場合(前年度の実績が全くない場合を含む。)の入所者数は、新設又は増床の時点から6月未満の間は、便宜上、ベッド数の90%を入所者数とし、新設又は増床の時点から6月以上1年未満の間は、直近の6月における入所者延数を6月間の日数で除して得た数とし、新設又は増床の時点から1年以上経過している場合は、直近1年間における入所者延数を1年間の日数で除して得た数とする。

 [3] 減床の場合には、減床後の実績が3月以上あるときは、減床後の入所者延数を延日数で除して得た数とする。

第3 設備に関する基準(基準省令第3条)

1 便所等の面積又は数の定めのない設備については、それぞれの設備の持つ機能を十分に発揮し得る適当な広さ又は数を確保するよう配慮するものとする。

2 指定介護老人福祉施設における廊下の幅は、入所者の身体的、精神的特性及び非常災害時における迅速な避難、救出の確保を考慮して定められたものである。なお、「中廊下」とは、廊下の両側に居室、静養室等入所者の日常生活に直接使用する設備のある廊下をいう。

3 「消火設備その他の非常災害に際して必要な設備」とは、消防法(昭和23年法律第186号)その他の法令等に規定された設備を示しており、それらの設備を確実に設置しなければならないものである。

4 経過措置(基準省令附則第4条・第5条)

 設備に関する基準については、以下の経過措置が設けられているので留意すること。

(1)1の居室の定員に関する経過措置

 [1] この基準省令の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(基本的な設備が完成しているものを含み、この基準省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、設備基準のうち1の居室の定員に関する基準「4人以下」については、「原則として4人以下」とする。(附則第4条第1項)

 [2] この基準省令の施行の際現に存する特別養護老人ホームであって、児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令(昭和62年厚生省令第12号)附則第4条第2項(同令第4条の規定による改正後の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(昭和41年厚生省令第19号)第20条の規定に係る部分に限る。)の規定の適用を受けていたものについては、設備基準のうち1の居室の定員に関する基準は「4人以下」については、「8人以下」とする。(附則第4条第2項)

(2)入所者1人あたりの居室の床面積に関する経過措置

 この基準省令の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(基本的な設備が完成しているものを含み、この基準省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、設備基準のうち入所者1人あたりの居室の床面積に関する基準「10.65平方メートル以上」については、「収納設備等を除き、4.95平方メートル以上」とする。(附則第4条第1項)

(3)入所者1人あたりの食堂及び機能訓練室の面積に関する経過措置

 この基準省令の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(基本的な設備が完成しているものを含み、この基準省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、設備基準のうち食堂及び機能訓練室の合計した面積「3平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上」の基準については、当分の間適用しない。(附則第5条)

第4 運営に関する基準

1 内容及び手続の説明及び同意

 基準省令第4条は、指定介護老人福祉施設は、入所者に対し適切な指定介護福祉施設サービスを提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、当該指定介護老人福祉施設の運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の入所申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、わかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該施設から指定介護福祉施設サービスの提供を受けることにつき同意を得なければならないこととしたものである。なお、当該同意については、入所者及び指定介護老人福祉施設双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。

2 提供拒否の禁止

 基準省令第4条の2は、原則として、入所申込に対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、要介護度や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことができる正当な理由がある場合とは、入院治療の必要がある場合その他入所者に対し自ら適切な指定介護老人福祉施設サービスを提供することが困難な場合である。

3 受給資格等の確認

(1)基準省令第5条第1項は、指定介護福祉施設サービスの利用に係る費用につき保険給付を受けることができるのは、要介護認定を受けている被保険者に限られるものであることを踏まえ、指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供の開始に際し、入所者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめなければならないこととしたものである。

(2)同条第2項は、入所者の被保険者証に、指定施設サービス等の適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項に係る認定審査会意見が記載されているときは、これに配慮して指定介護福祉施設サービスを提供するように努めるべきことを規定したものである。

4 要介護認定の申請に係る援助

(1)基準省令第6条第1項は、要介護認定の申請がなされていれば、要介護認定の効力が申請時に遡ることにより、指定介護福祉施設サービスの利用に係る費用が保険給付の対象となり得ることを踏まえ、指定介護老人福祉施設は、入所申込者が要介護認定を受けていないことを確認した場合には、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意思を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならないこととしたものである。

(2)同条第二項は、要介護認定の有効期間が原則として6箇月ごとに終了し、継続して保険給付を受けるためには要介護更新認定を受ける必要があること及び当該認定が申請の日から30日以内に行われることとされていることを踏まえ、指定介護老人福祉施設は、要介護認定の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要介護認定の有効期間が終了する30日前にはなされるよう、必要な援助を行わなければならないこととしたものである。

5 入退所

(1)基準省令第7条第1項は、指定介護老人福祉施設は、身体上、精神上の著しい障害のために居宅で生活を継続することが、困難な要介護者を対象とするものであることを規定したものである。

(2)同条第2項は、入所を待っている申込者がいる場合には、入所して指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められるものを優先的に入所させるよう努めなければならないことを規定したものである。また、その際の勘案事項として、指定介護老人福祉施設が常時の介護を要する者のうち居宅においてこれを受けることが困難な者を対象としていることにかんがみ、介護の必要の程度及び家族の状況等を挙げているものである。なお、こうした優先的な入所の取扱いについては、透明性及び公平性が求められることに留意すべきものである。

(3)同条第3項は、基準省令第1条(基本方針)を踏まえ、入所者の家族等に対し、居宅における生活への復帰が見込まれる場合には、居宅での生活へ移行する必要性があること、出来るだけ面会に来ることが望ましいこと等の説明を行うとともに、入所者に対して適切な指定介護福祉施設サービスが提供されるようにするため、入所者の新任の状況、生活歴、病歴、家族の状況等の把握に努めなければならないことを規定したものである。
 また、質の高い指定介護福祉施設サービスの提供に資することや入所者の生活の継続性を重視するという観点から、指定居宅サービス等の利用状況等の把握に努めなければならないものとしたものである。

(4)同条第4項及び第5項は、指定介護老人福祉施設が要介護者のうち、入所して介護を受けることが必要な者を対象としているにかんがみ、退所して居宅において日常生活を営むことが出来るかどうかについて定期的に検討しなければならないこととしたものである。なお、上記の検討は、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等により行うこと。

(5)同条第6項は、第4項の検討の結果、居宅での生活が可能と判断される入所者に対し、退所に際しての本人又は家族等に対する家庭での介護方法等に関する適切な指導、居宅介護支援事業者等に対する情報提供等の必要な援助をすることを規定したものである。なお、安易に施設側の理由により退所を促すことのないよう留意するものとする。
 また、退所が可能になった入所者の退所を円滑に行うために、介護支援専門員及び生活相談員が中心となって、退所後の主治の医師及び居宅介護支援事業者等並びに市町村と十分連携を図ること。

6 サービス提供の記録

 基準省令第8条第2項は、サービスの提供日、提供した具体的なサービスの内容、入所者の心身の状況その他必要な事項を記録しなければならないこととしたものである。
 なお、基準省令第37条第2項に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。

7 利用料等の受領

(1)基準省令第9条第1項は、指定介護老人福祉施設は、法定代理受領サービスとして提供される指定介護福祉施設サービスについての入所者負担として、法第48条第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定介護福祉施設サービスに要した額を超えるときは、当該現に指定介護福祉サービスに要した費用の額とする。)の1割(法第50条又は第69条の規定の適用により保険給付の率が9割でない場合については、それに応じた割合)の支払を受けなければならないことを規定したものである。

(2)同条第2項は、入所者間の公平及び入所者の保護の観点から、法定代理受領サービスでない指定介護福祉施設サービスを提供した際にその入所者から支払を受ける利用料の額と法定代理受領サービスである指定介護福祉施設サービスに係る費用の額の間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けてはならないこととしたものである。

(3)同条第3項は、指定介護福祉施設サービスの提供に関して、
 [1] 食事の提供に要する費用(法第51条の2第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第一号に規定する食事の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該指定介護老人福祉施設に支給された場合は、同条第2項第一号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)
 [2] 居住に要する費用(法第51条の2第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第二号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該指定介護老人福祉施設に支給された場合は、同条第2項第二号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)
 [3] 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な居室の提供を行ったことに伴い必要となる費用
 [4] 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用
 [5] 理美容代
 [6] 前各号に掲げるもののほか、指定介護福祉施設サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その入所者に負担させることが適当と認められるもの
については、前2項の利用料のほかに入所者から支払を受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。なお、[1]から[4]までの費用については、居住、滞在及び食事の提供にかかる利用料等に関する指針(平成17年厚生労働省告示第419号)及び厚生労働大臣の定める利用者等が選定する特別な居室等の提供に係る基準等(平成12年厚生省告示第123号)の定めるところによるものとし、[6]の費用の具体的な範囲については、別に通知するところによるものとする。

(4)基準省令第9条第5項は、指定介護老人福祉施設は、同条第3項の費用の支払いを受けるに当たっては、あらかじめ、入所者又はその家族に対して、その額等を記載した書類を交付して、説明を行い、入所者の同意を得なければならないこととしたものである。また、同項第一号から第四号までの利用料に係る同意については、文書によって得なければならないこととしたものである。

8 保険給付の請求のための証明書の交付

 基準省令第10条は、入所者が保険給付の請求を容易に行えるよう、指定介護老人福祉施設は、法定代理受領サービスでない指定介護福祉施設サービスに係る利用料の支払を受けた場合は、提供した指定介護福祉施設サービスの内容、費用の額その他入所者が保険給付を請求する上で必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を入所者に対して交付しなければならないこととしたものである。

9 指定介護福祉施設サービスの取扱方針

(1)基準省令第11条第3項に規定する処遇上必要な事項とは、施設サービス計画の目標及び内容並びに行事及び日課等も含むものである。

(2)同条第4項及び第5項は、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっても、その様態及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
 なお、基準省令第37条第2項の規定に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。

10 施設サービス計画の作成

 基準省令第12条は、入所者の課題分析、サービス担当者会議の開催、施設サービス計画の作成、施設サービス計画の実施状況の把握など、施設サービスが施設サービス計画に基づいて適切に行われるよう、施設サービス計画に係る一連の業務のあり方及び当該業務を行う介護支援専門員(以下「計画担当介護支援専門員」という。)の責務を明らかにしたものである。なお、施設サービス計画の作成及びその実施に当っては、いたずらにこれを入所者に強制することとならないように留意するものとする。

(1)計画担当介護支援専門員による施設サービス計画の作成(第1項)

 指定介護老人福祉施設の管理者は、施設サービス計画の作成に関する業務の主要な過程を計画担当介護支援専門員に担当させることとしたものである。

(2)総合的な施設サービスの作成(第2項)

 施設サービス計画は、入所者の日常生活全般を支援する観点に立って作成されることが重要である。このため、施設サービス計画の作成または変更に当たっては、入所者の希望や課題分析の結果に基づき、介護給付等対象サービス以外の、当該地域住民による入所者の話し相手、会食などの自発的な活動によるサービス等も含めて施設サービス計画に位置付けることにより、総合的な計画となるよう勤めなければならない。

(3)課題分析の実施(第3項)

 施設サービス計画は、個々の入所者の特性に応じて作成されることが重要である。このため計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成に先立ち入所者の課題分析を行わなければならない。
 課題分析とは、入所者の有する日常生活上の能力や入所者を取り巻く環境等の評価を通じて入所者が生活の質を維持・向上させていく上で生じている問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握することであり、入所者の生活全般についてその状態を十分把握することが重要である。
 なお、課題分析は、計画担当介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、入所者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならないものである。

(4)課題分析における留意点

 計画担当介護支援専門員は、解決すべき問題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、必ず入所者及びその家族に面接して行なわなければならない。この場合において、入所者やその家族との間の信頼関係、協働関係の構築が重要であり、計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。なお、このため、計画担当介護支援専門員は面接技法等の研鑚に努めることが重要である。

(5)施設サービス計画原案の作成(第5項)

 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画が入所者の生活の質に直接影響する重要なものであることを十分に認識し、施設サービス計画原案を作成しなければならない。したがって、施設サービス計画原案は入所者の希望及び入所者についてのアセスメントの結果による専門的見地に基づき、入所者の家族の希望を勘案した上で、実現可能なものとする必要がある。
 また、当該施設サービス計画原案には、入所者及びその家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針並びに生活全般の解決すべき課題に加え、各種サービス(機能訓練、看護、介護、食事等)に係る目標を具体的に設定し記載する必要がある。さらに提供される施設サービスについて、その長期的な目標及びそれを達成する為の短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には施設サービス計画及び提供したサービスの評価を行い得るようにすることが重要である。
 なお、ここでいう指定介護福祉施設サービスの内容には、当該指定介護老人福祉施設の行事及び日課等も含むものである。

(6)サービス担当者会議等による専門的意見の聴取(第6項)

 計画担当介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い施設サービス計画とするため、施設サービスの目標を達成するために、具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて、施設サービス計画原案に位置付けた施設サービスの担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者への照会等により専門的見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、計画担当介護支援専門員は、入所者の状態を分析し、複数職種間で直接に意見調整を行う必要の有無について十分見極める必要があるものである。

(7)施設サービス計画原案の説明及び同意(第7項)

 施設サービス計画は、入所者の希望を尊重して作成されなければならない。このため、計画担当介護支援専門員に、施設サービス計画の作成に当たっては、これに位置付けるサービスの内容を説明した上で文書によって入所者の同意を得ることを義務付けることにより、サービスの内容への入所者の同意の反映の機会を保証しようとするものである。
 なお、当該説明及び同意を要する施設サービス計画の原案とは、いわゆる施設サービス計画書の第1表及び第2表(「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)に示す標準様式を指す。)に相当するものを指すものである。
 また、施設サービス計画の原案について、入所者に対して説明し、同意を得ることを義務づけているが、必要に応じて入所者の家族に対しても説明を行い同意を得ることが望ましいことに留意されたい。

(8)施設サービス計画の交付(第8項)

 施設サービス計画を作成した際には、遅滞なく入所者に交付しなければならない。
 なお、交付した施設サービス計画は、基準省令第37条第2項に規定に基づき、2年間保存しておかなければならない。

(9)施設サービス計画の実施状況等の把握及び評価等(第9項)

 計画担当介護支援専門員は、入所者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であり、施設サービス計画の作成後においても、入所者及びその家族並びに他のサービス担当者と継続して連絡調整を行い、施設サービス計画の実施状況の把握(入所者についての継続的なアセスメントを含む。以下「モニタリング」という。)を行い、入所者の解決すべき課題の変化が認められる場合等必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。
 なお、入所者の解決すべき課題の変化は、入所者に直接サービスを提供する他のサービス担当者により把握されることも多いことから、計画担当介護支援専門員は、他のサービス担当者と緊密な連携を図り、入所者の解決すべき課題の変化が認められる場合には、円滑に連絡が行われる体制の整備に努めなければならない。

(10)モニタリングの実施(第10項)

 施設サービス計画の作成後のモニタリングについては、定期的に入所者と面接して行なう必要がある。また、モニタリングの結果についても定期的に記録することが必要である。
 「定期的に」の頻度については、入所者の心身の状況等に応じて適切に判断するものとする。
 また、特段の事情とは、入所者の事情により、入所者に面接することができない場合を主として指すものであり、計画担当介護支援専門員に起因する事情は含まれない。
 なお、当該特段の事情がある場合については、その具体的な内容を記録しておくことが必要である。

(11)施設サービス計画の変更(第12項)

 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画を変更する際には、原則として、基準省令12条第2項から第8項に規定された施設サービス計画作成に当たっての一連の業務を行うことが必要である。
 なお、入所者の希望による軽微な変更をおこなう場合には、この必要はないものとする。ただし、この場合においても、計画担当介護支援専門員が、入所者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であることは、同条第9項((9)施設サービス計画の実施状況等の把握及び評価等)に規定したとおりであるので念のために申し添える。

11 介護(基準省令第13条)

(1)介護サービスの提供に当たっては、入所者の人格に十分配慮し、施設サービス計画によるサービスの目標等を念頭において行うことが基本であり、自立している機能の低下が生じないようにするとともに残存機能の維持向上が図られるよう、適切な技術をもって介護サービスを提供し、又は必要な支援を行うものとすること。

(2)入浴は、入所者の心身の状況や自立支援を踏まえて、適切な方法により実施するものとする。
 なお、入浴の実施に当たっては、事前に健康管理を行い、入浴することが困難な場合は、清しきを実施するなど入所者の清潔保持に努めるものとする。

(3)排せつの介護は、入所者の心身の状況や排せつ状況などをもとに、自立支援の観点から、トイレ誘導や排せつ介助等について適切な方法により実施するものとする。

(4)入所者がおむつを使用せざるを得ない場合には、その心身及び活動の状況に適したおむつを提供するとともに、おむつ交換に当たっては、頻繁に行えばよいということではなく、入所者の排せつ状況を踏まえて実施するものとする。

(5)「指定介護老人福祉施設は、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。」とは、施設において褥瘡の予防のための体制を整備するとともに、介護職員が褥瘡に関する基礎知識を有し、日常的なケアにおいて配慮することにより、褥瘡発生の予防効果を向上させることを想定している。例えば、次のようなことが考えられる。
 イ 当該施設における褥瘡のハイリスク者(日常生活自立度等が低い入所者等)に対し、褥瘡予防のための計画の作成、実践並びに評価をする。
 ロ 当該施設において、専任の施設内褥瘡予防対策を担当する者(看護師が望ましい。)を決めておく。
 ハ 医師、看護職員、介護職員、栄養士等からなる褥瘡対策チームを設置する。
 ニ 当該施設における褥瘡対策のための指針を整備する。
 ホ 介護職員に対し、褥瘡対策に関する施設内職員継続教育を実施する。
  また、施設外の専門家による相談、指導を積極的に活用することが望ましい。

(6)指定介護老人福祉施設は、入所者にとっての生活の場であることから、通常の1日の生活の流れに沿って、離床、着替え、整容など入所者の心身の状況に応じた日常生活上の世話を適切に行うものとする。

(7) 第6項の「常時一人以上の常勤の介護職員を介護に従事させる」とは、夜間を含めて適切な介護を提供できるように介護職員の勤務体制を定めておくものであるとともに、2以上の介護職員の勤務体制を組む場合は、それぞれの勤務体制において常時1人以上の常勤の介護職員の配置を行わなければならないことを規定したものである。
 なお、介護サービスの提供に当たっては、提供内容に応じて、職員体制を適切に組むものとする。

12 食事の提供(基準省令第14条)

(1)食事の提供について

 入所者の心身の状況・嗜好に応じて適切な栄養量及び内容とすること。
 また、入所者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならないこと。

(2)調理について
 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況を明らかにしておくこと。
 また、病弱者に対する献立については、必要に応じ、医師の指導を受けること。

(3)適時の食事の提供について

 食事時間は適切なものとし、夕食時間は午後6時以降とすることが望ましいが、早くても午後5時以降とすること。

(4)食事の提供に関する業務の委託について

 食事の提供に関する業務は指定介護老人福祉施設自らが行うことが望ましいが、栄養管理、調理管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理、労働衛生管理について施設自らが行う等、当該施設の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制と契約内容により、食事サービスの質が確保される場合には、当該施設の最終責任の下で第三者に委託することができる。

(5)居室関係部門と食事関係部門との連携について

 食事提供については、入所者の嚥下や咀嚼の状況、食欲など心身の状態等を当該入所者の食事に的確に反映させるために、居室関係部門と食事関係部門との連絡が十分とられていることが必要であること。

(6)栄養食事相談

 入所者に対しては適切な栄養食事相談を行う必要があること。

(7)食事内容の検討について

 食事内容については、当該施設の医師又は栄養士(入所者が40人を超えない指定介護老人福祉施設であって、栄養士を配置していない施設においては連携を図っている他の社会福祉施設等の栄養士)を含む会議において検討が加えられなけれなならないこと。

13 相談及び援助

 基準省令第15条に定める相談及び援助は、常時必要な相談及び援助を行い得る体制をとることにより、積極的に入所者の生活の向上を図ることを趣旨とするものである。

14 社会生活上の便宜の供与等

(1)基準省令第16条第1項は指定介護老人福祉施設が画一的なサービスを提供するのではなく、入所者が自らの趣味又は嗜好に応じた活動を通じて充実した日常生活を送ることができるよう努めることとしたものである。

(2)同条第2項は、指定介護老人福祉施設は、郵便、証明書等の交付申請等、入所者が必要とする手続等について、入所者又はその家族が行うことが困難な場合は、原則としてその都度、その者の同意を得た上で代行しなければならないこととするものである。特に金銭にかかるものについては書面等をもって事前に同意を得るとともに、代行した後はその都度本人に確認を得るものとする。

(3)同条第3項は、指定介護老人福祉施設は、入所者の家族に対し、当該施設の会報の送付、当該施設が実施する行事への参加の呼びかけ等によって入所者とその家族が交流できる機会等を確保するよう努めなければならないこととするものである。また、入所者と家族の面会の場所や時間等についても、入所者やその家族の利便に配慮したものとするよう努めなければならない。

(4) 同条第4項は、指定介護老人福祉施設は、入所者の生活を当該施設内で完結させてしまうことのないよう、入所者の希望や心身の状況を踏まえながら、買物や外食、図書館や公民館等の公共施設の利用、地域への行事への参加、友人宅の訪問、散歩など、入所者に多様な外出の機会を確保するよう努めなければならないこととするものである。

15 機能訓練

 基準省令第17条に定める機能訓練は、機能訓練室における機能訓練に限るものではなく、日常生活の中での機能訓練やレクリエーション、行事の実施等を通じた機能訓練も含むものであり、これらについても十分に配慮しなければならない。

16 健康管理

(1)基準省令第18条第1項は、健康管理が、医師及び看護職員の業務であることを明確にしたものである。

(2)基準省令第18条第2項で定める定期健康診断などの状況については、その入所者の老人保健法(昭和57年法律第80号)の健康手帳の所要の記入欄に、健康診断の状況や健康管理上特記する必要がある事項を記載するものとする。これらは、医療を受けた場合や在宅復帰後に指定介護老人福祉施設での入所者の健康管理状況を把握できるようにすることをねらいとしているものである。

17 入所者の入院期間中の取扱い(基準省令第19条)

(1)「退院することが明らかに見込まれるとき」に該当するか否かは、入所者の入院先の病院又は診療所の当該主治医に確認するなどの方法により判断すること。

(2)「必要に応じて適切な便宜を供与」とは、入所者及びその家族の同意の上での入退院の手続きや、その他の個々の状況に応じた便宜を図ることを指すものであること。

(3)「やむを得ない事情がある場合」とは、単に当初予定の退院日に満床であることをもってやむを得ない事情として該当するものではなく、例えば、入所者の退院が予定より早まるなどの理由により、ベッドの確保が間に合わない場合等を指すものである。施設側の都合は、基本的には該当しないことに留意すること。なお、上記の例示の場合であっても、再入所が可能なベッドの確保が出来るまでの間、短期入所生活介護の利用を検討するなどにより、入所者の生活に支障を来さないよう努める必要があること。

(4)入所者の入院期間中のベッドは、短期入所生活介護事業等に利用しても差し支えないが、当該入所者が退院する際に円滑に再入所できるよう、その利用は計画的なものでなければならない。

18 入所者に関する市町村への通知

 基準省令第20条は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失等により、要介護状態等若しくはその原因となった事故を生じさせるなどした者については、市町村が、介護保険法第22条第1項に基づく既に支払った保険給付の徴収又は第64条に基づく保険給付の制限を行うことができることに鑑み、指定介護老人福祉施設が、その入所者に関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければならない事由を列記したものである。

19 管理者による管理(基準省令第21条)

 指定介護老人福祉施設の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該指定介護老人福祉施設の管理業務に従事するものである。ただし、以下の場合であって、当該指定介護老人福祉施設の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
(1)当該指定介護老人福祉施設の従業者としての職務に従事する場合
(2)当該指定介護老人福祉施設と同一敷地内にある他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合であって、特に当該指定介護老人福祉施設の管理業務に支障がないと認められる場合
(3)当該指定介護老人福祉施設がサテライト型居住施設の本体施設である場合であって、当該サテライト型居住施設の管理者又は従業者としての職務に従事する場合

20 管理者の責務

 基準省令第22条は、指定介護老人福祉施設の管理者の責務を、指定介護老人福祉施設の従業者の管理及び指定介護福祉施設サービスの実施状況の把握その他の管理を一元的に行うとともに、当該指定介護老人福祉施設の従業者に基準省令の第4章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。

21 計画担当介護支援専門員の責務

 基準省令第22条の2は、指定介護老人福祉施設の計画担当介護支援専門員の責務を定めたものである。
 計画担当介護支援専門員は、基準省令第12条の業務のほか、指定介護老人福祉施設が行う業務のうち、基準省令第7条第3項から第7項まで、第11条第5項、第33条第2項及び第35条第2項に規定される業務を行うものとする。

22 運営規程

 基準省令第23条は、指定介護老人福祉施設の適正な運営及び入所者に対する適切な指定介護福祉施設サービスの提供を確保するため、同条第一号から第七号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定介護老人福祉施設ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。

(1)入所定員(第三号)
 入所定員は、指定介護老人福祉施設の事業の専用の居室のベッド数(和室利用の場合は、当該居室の利用人員数)と同数とすること。

(2)指定介護福祉施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額(第四号)
 「指定介護福祉施設サービスの内容」については、年間行事・レクレーション及び日課等を含めたサービスの内容を指すものであること。また、「その他の費用の額」には、基準省令第9条第3項により支払を受けることが認められている費用の額を指すものであること。

(3)施設の利用に当たっての留意事項(第五号)
 入所者が指定介護福祉施設サービスの提供を受ける際の、入所者側が留意すべき事項(入所生活上のルール、設備の利用上の留意事項等)を指すものであること。

(4)非常災害対策(第六号)
 24の非常災害に関する具体的計画を指すものであること

(5)その他施設の運営に関する重要事項(第七号)
 当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う際の手続について定めておくことが望ましい。

23 勤務体制の確保等

 基準省令第24条は、入所者に対する適切な指定介護福祉施設サービスの提供を確保するため、職員の勤務体制等について規定したものであるが、このほか次の点に留意するものとする。

(1)同条第1項は、指定介護老人福祉施設ごとに、原則として月ごとに勤務表(介護職員の勤務体制を2以上で行っている場合は、その勤務体制ごとの勤務表)を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、介護職員及び看護職員等の配置、管理者との兼務関係等を明確にすることを定めたものであること。

(2)同条第2項は、指定介護老人福祉施設は原則として、当該施設の従業者によって指定介護福祉施設サービスを提供すべきであるが、調理業務、洗濯等の入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、第三者への委託等を行うことを認めるものであること。

(3)同条第3項は、当該指定介護老人福祉施設の従業者の資質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該施設内の研修への参加の機会を計画的に確保することを定めたものであること。

24 非常災害対策

(1)基準省令第26条は、指定介護老人福祉施設は、非常災害に際して必要な具体的計画の策定、関係機関への通報及び連携体制の整備、避難、救出訓練の実施等の対策について万全を期さなければならないこととしたものであること。

(2)「関係機関への通報及び連携体制の整備」とは、火災等の災害時に、地域の消防機関へ速やかに通報する体制をとるよう職員に周知徹底するとともに、日頃から消防団や地域住民との連携を図り、火災等の際に消火・避難等に協力してもらえるような体制作りを求めることとしたものである。
 また「非常災害に関する具体的計画」とは、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条に規定する消防計画(これに準ずる計画を含む。)及び風水害、地震等の災害に対処するための計画をいう。この場合、消防計画の策定及びこれに基づく消防業務の実施は、消防法第8条の規定により防火管理者を置くこととされている指定介護老人福祉施設にあってはその者に行わせるものとする。また、防火管理者を置かなくてもよいこととされている指定介護老人福祉施設においても、防火管理について責任者を定め、その者に消防計画に準じる計画の策定等の業務を行わせるものとする。

25 衛生管理等

(1)基準省令第27条第1項は、指定介護老人福祉施設の必要最低限の衛生管理等を規定したものであるが、このほか、次の点に留意するものとする。

 [1] 調理及び配膳に伴う衛生は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)等関係法規に準じて行わなければならない。
  なお、食事の提供に使用する食器等の消毒も適正に行わなければならないこと。

 [2] 食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。

 [3] 特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これに基づき、適切な措置を講ずること。

 [4] 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。

(2)基準省令第27条第2項に規定する感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように講ずるべき措置については、具体的には次の[1]から[4]までの取扱いとすること。

 [1] 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会
  当該施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(以下「感染対策委員会」という。)であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、介護職員、栄養士、生活相談員)により構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の感染対策を担当する者(以下「感染対策担当者」という。)を決めておくことが必要である。感染対策委員会は、入所者の状況など施設の状況に応じ、おおむね3月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。
  なお、感染対策委員会は、運営委員会など施設内の他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、基準省令第35条第1項第3号に規定する事故発生の防止のための委員会については、関係する職種、取り扱う事項等が感染対策委員会と相互に関係が深いと認められることから、これと一体的に設置・運営することも差し支えない。感染対策担当者は看護師であることが望ましい。
  また、施設外の感染管理等の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。

 [2] 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
  当該施設における「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針」には、平常時の対策及び発生時の対応を規定する。
  平常時の対策としては、施設内の衛生管理(環境の整備、排泄物の処理、血液・体液・分泌液・排泄物(便)などに触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるときどのようにするかなどの取り決め)、手洗いの基本、早期発見のための日常の観察項目)等、発生時の対応としては、発生状況の把握、感染拡大の防止、医療機関や保健所、市町村における施設関係課等の関係機関との連携、医療処置、行政への報告等が予想される。また、発生時における施設内の連絡体制を整備し、明記しておくことも必要である。
  なお、それぞれの項目の記載内容の例については、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/index.html)を参照されたい。

 [3] 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修
  介護職員その他の従業者に対する「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修」の内容は、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該施設における指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的なケアの励行を行うものとする。
  職員教育を組織的に浸透させていくためには、当該施設が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず感染対策研修を実施することが重要である。また、調理や清掃などの業務を委託する場合には、委託を受けて行う者に対しても、施設の指針が周知されるようにする必要がある。
  また、研修での実施内容についても記録することが必要である。
  研修の実施は、職員研修施設内での研修で差し支えない。

 [4] 施設は、入所予定者の感染症に関する事項も含めた健康状態を確認することが必要であるが、その結果感染症や既往であっても、一定の場合を除き、サービス提供を断る正当な理由には該当しないものである。こうした者が入所する場合には、感染対策担当者は、介護職員その他の従業者に対し、当該感染症に関する知識、対応等について周知することが必要である。

26 協力病院等

 基準省令第28条第1項の協力病院及び同条第2項の協力歯科医療機関は、指定介護老人福祉施設から近距離にあることが望ましい。

27 秘密保持等

(1)基準省令第30条第1項は、指定介護老人福祉施設の従業者に、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。

(2)同条第2項は、指定介護老人福祉施設に対して、過去に当該指定介護老人福祉施設の従業者であった者が、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととするものである。

(3)同条第3項は、入所者の退所後の居宅における居宅介護支援計画の作成等に資するために、居宅介護支援事業者等に対して情報提供を行う場合には、あらかじめ、文書により入所者から同意を得る必要があることを規定したものである。

28 居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止

(1)基準省令第32条第1項は、居宅介護支援事業者による介護保険施設の紹介が公正中立に行われるよう、指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に対して当該施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。

(2)同条第2項は、入所者による退所後の居宅介護支援事業者の選択が公正中立に行われるよう、指定介護老人福祉施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。

29 苦情処理

(1)基準省令第33条第1項にいう「必要な措置」とは、苦情を受け付けるための窓口を設置することのほか、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当該施設における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、これを入所者又はその家族にサービスの内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、施設に掲示すること等である。

(2)同条第2項は、苦情に対し指定介護老人福祉施設が組織として迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定介護老人福祉施設が提供したサービスとは関係のないものを除く。)の受付日、内容等を記録することを義務付けたものである。
 また、指定介護老人福祉施設は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うべきである。
 なお、基準省令第37条第2項の規定に基づき、苦情の内容等の記録は、2年間保存しなければならない。

(3)介護保険法上、苦情処理に関する業務を行うことがその業務として位置付けられている国民健康保険団体連合会のみならず、住民に最も身近な行政庁であり、かつ、保険者である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村についても国民健康保険団体連合会と同様に、指定介護老人福祉施設に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上明確にしたものである。

30 地域との連携等

(1)基準省令第34条第1項は、指定介護老人福祉施設が地域に開かれたものとして運営されるよう、指定介護老人福祉施設は地域の住民やボランティア団体等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならないこととしたものである。

(2)同条第2項は、基準省令第1条第3項の趣旨に基づき、介護相談員を積極的に受け入れる等、市町村との密接な連携に努めることを規定したものである。
 なお、「市町村が実施する事業」には、介護相談員派遣事業のほか、広く市町村が老人クラブ、婦人会その他の非営利団体や住民の協力を得て行う事業が含まれるものである。

31 事故発生時の対応(基準省令第35条)

(1)事故発生の防止のための指針(第1項第一号)

 指定介護老人福祉施設が整備する「事故発生の防止のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
 [1] 施設における介護事故の防止に関する基本的考え方
 [2] 介護事故の防止のための委員会その他施設内の組織に関する事項
 [3] 介護事故の防止のための職員研修に関する基本方針
 [4] 施設内で発生した介護事故、介護事故には至らなかったが介護事故が発生しそうになった場合(ヒヤリ・ハット事例)及び現状を放置しておくと介護事故に結びつく可能性が高いもの(以下「介護事故等」という。)の報告方法等の介護に係る安全の確保を目的とした改善のための方策に関する基本方針
 [5] 介護事故等発生時の対応に関する基本方針
 [6] 入所者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
 [7] その他介護事故等の発生の防止の推進のために必要な基本方針

(2)事実の報告及びその分析を通じた改善策の従業者に対する周知徹底(第1項第二号)

 指定介護老人福祉施設が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、介護事故等について、施設全体で情報共有し、今後の再発防止につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。
 具体的には、次のようなことを想定している。
 [1] 介護事故等について報告するための様式を整備すること。
 [2] 介護職員その他の従業者は、介護事故との発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、[1]の様式に従い、介護事故等について報告すること。
 [3] (3)の事故発生の防止のための委員会において、[2]により報告された事例を集計し、分析すること。
 [4] 事例の分析に当たっては、介護事故等の発生時の状況等を分析し、介護事故等の発生原因、結果等をとりまとめ、防止策を検討すること。
 [5] 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
 [6] 防止策を講じた後に、その効果について評価すること。

(3)事故発生の防止のための委員会(第1項第三号)
 指定介護老人福祉施設における「事故発生の防止のための検討委員会」(以下「事故防止検討委員会」という。)は、介護事故発生の防止及び再発防止のための対策を検討する委員会であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、介護職員、生活相談員)により構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の安全対策を担当する者を決めておくことが必要である。
 なお、事故防止検討委員会は、運営委員会など他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、感染対策委員会については、関係する職種、取り扱う事項等が事故防止検討委員会と相互に関係が深いと認められることから、これと一体的に設置・運営することも差し支えない。事故防止対策委員会の責任者はケア全般の責任者であることが望ましい。
 また、事故防止検討委員会に施設外の安全対策の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。

(4)事故発生の防止のための従業者に対する研修(第1項第三号)

 介護職員その他の従業者に対する事故発生の防止のための研修の内容としては、事故発生防止の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定介護老人福祉施設における指針に基づき、安全管理の徹底を行うものとする。
 職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定介護老人福祉施設が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず事故発生の防止の研修を実施することが重要である。
 また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、職員研修施設内での研修で差し支えない。

(5)損害賠償(第4項)
 指定介護老人福祉施設は、賠償すべき事態となった場合には、速やかに賠償しなければならない。そのため、損害賠償保険に加入しておくか若しくは賠償資力を有することが望ましい。

32 会計の区分

 基準省令第36条は、指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスに関して他の介護給付等対象サービスと経理を区分するとともに、介護保険の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものであるが、具体的な会計処理の方法等については、別に通知するところによるものである。
※指定介護老人福祉施設等に係る会計処理等の取扱いについて(平成12年3月10日老計第8号)
※介護保険の給付対象事業における会計の区分について(平成13年3月28日老振発第18号)

第5 ユニット型指定介護老人福祉施設

1 第5章の趣旨

 「ユニット型」の指定介護老人福祉施設は、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うこと、すなわち、生活単位と介護単位を一致させたケアであるユニットケアを行うことに特徴があり、これまで「居住福祉型」と称してきたものを、その特徴をよりわかりやすく表す観点から改めたものである。
 こうしたユニット型指定介護老人福祉施設のケアは、これまでの指定介護老人福祉施設のケアと大きく異なることから、その基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、第1章、第3章及び第4章ではなく、第5章に定めるところによるものである。なお、人員に関する基準については、第2章(基準省令第2条)に定めるところによるので、留意すること。

2 基本方針
 基準省令第39条(基本方針)は、ユニット型指定介護老人福祉施設がユニットケアを行うものであることを規定したものである。
 その具体的な内容に関しては、基準省令第42条以下に、サービスの取扱方針、介護、食事など、それぞれについて明らかにしている。

3 設備に関する要件(基準省令第40条)

(1)ユニットケアを行うためには、入居者の自律的な生活を保障する居室(使い慣れた家具等を持ち込むことのできる個室)と、少人数の家庭的な雰囲気の中で生活できる共同生活室(居宅での居間に相当する部屋)が不可欠であることから、ユニット型指定介護老人福祉施設は、施設全体を、こうした居室と共同生活室によって一体的に構成される場所(ユニット)を単位として構成し、運営しなければならない。

(2)入居者が、自室のあるユニットを超えて広がりのある日常生活を楽しむことができるよう、他のユニットの入居者と交流したり、多数の入居者が集まったりすることのできる場所を設けることが望ましい。

(3)ユニット(第1項第一号)

 ユニットは、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うというユニットケアの特徴を踏まえたものでなければならない。

(4)居室(第一号イ)

 [1] 上記(1)のとおりユニットケアには個室が不可欠なことから、居室の定員は1人とする。ただし、夫婦で居室を利用する場合などサービスの提供上必要と認められる場合は、2人部屋とすることができる。

 [2] 居室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けなければならない。
  この場合、「当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設け」られる居室とは、次の3つをいう。
  イ 当該共同生活室に隣接している居室
  ロ 当該共同生活室に隣接してはいないが、イの居室と隣接している居室
  ハ その他当該共同生活室に近接して一体的に設けられている居室(他の共同生活室のイ及びロに該当する居室を除く。)

 [3] ユニットの入居定員
  ユニット型指定介護老人福祉施設は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するものであることから、1のユニットの入居定員は、10人以下とすることを原則とする。
 ただし、敷地や建物の構造上の制約など特別の事情によりやむを得ない場合であって、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するのに支障がないと認められる場合には、入居定員が10人を超えるユニットも認める。なお、この場合にあっても、次の2つの要件を満たさなければならない。
  イ 入居定員が10人を超えるユニットにあっては、「おおむね10人」と言える範囲内の入居定員であること。
  ロ 入居定員が10人を超えるユニットの数は、当該施設の総ユニット数の半数以下であること。

 [4] ユニットの入居定員に関する既存施設の特例
  平成15年4月1日に現に存する指定介護老人福祉施設(建築中のものを含む。)が、その建物を同日以降に改修してユニットを造る場合にあっては、施設を新増築したり、改築したりする場合に比べて、現にある建物の構造や敷地などの面で、より大きな制約が想定されることから、上記[3]のロの要件は適用しない。
  また、平成15年4月1日に現に存する指定介護老人福祉施設(建築中のものを含む。)が同日において現にユニットを有している(建築中のものを含む。)場合は、当該ユニットについては、上記[3]は適用しない。ただし、当該ユニットが改築されたときは、この限りでない。

 [5] 居室の床面積等
  ユニット型指定介護老人福祉施設では、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うため、入居者は長年使い慣れた箪笥などの家具を持ち込むこことを想定しており、居室は次のいずれかに分類される。
  イ ユニット型個室
   床面積は、13.2平方メートル以上(居室内に洗面設備が設けられているときはその面積を含み、居室内に便所が設けられているときはその面積を除く。)を標準とすること。
   ここで「標準とする」とは、13.2平方メートル以上とすることが原則であるが、平成15年4月1日に現に存する指定介護老人福祉施設が、その建物を同日以降平成17年9月30日までに改修してユニットを造る場合に、現にある建物の構造や敷地上の制約など特別の事情によって当該面積を確保することが因難であると認められるときには、上記の趣旨を損なわない範囲で、13.2平方メートル未満であっても差し支えないという趣旨である。
   なお、平成15年4月1日に現に存する指定介護老人福祉施設が同日において現に有しているユニット(同日以降に改築されたものを除く。)にあっては、10.65平方メートル以上であれば足りるものとする。
   また、入居者へのサービス提供上必要と認められる場合に2人部屋とするときは21.3平方メートル以上を標準としていることについても、上記と同様の趣旨である。
  ロ ユニット型準個室
   ユニットに属さない居室を改修してユニットを造る場合であり、床面積は、10.65平方メートル以上(居室内に洗面設備が設けられているときはその面積を含み、居室内に便所が設けられているときはその面積を除く。)とすること。この場合にあっては、入居者同士の視線が遮断され、入居者のプライバシーが十分に確保されていれば、天井と壁との間に一定の隙間が生じていても差し支えない。
   壁については、家具等のように可動のもので室内を区分しただけのものは認められず、可動でないものであって、プライバシーの確保のために適切な素材であることが必要である。
   居室であるためには、一定程度以上の大きさの窓が必要であることから、多床室を仕切って窓のない居室を設けたとしても準個室としては認められない。
   また、居室への入口が、複数の居室で共同であったり、カーテンなどで仕切られているに過ぎないような場合には、十分なプライバシーが確保されているとはいえず、準個室としては認められないものである。
   入居者へのサービス提供上必要と認められる場合に2人部屋とするときは21.3平方メートル以上を標準としていることについては、21.3平方メートル以上とすることが原則であるが、平成15年4月1日に現に存する指定介護老人福祉施設が、その建物を同日以降に改修してユニットを造る場合に、現にある建物の構造や敷地上の制約など特別の事情によって当該面積を確保することが困難であると認められるときには、上記の趣旨を損なわない範囲で、21.3平方メートル未満であっても差し支えないという趣旨である。
   なお、ユニットに属さない居室を改修してユニットを造る場合に、居室がイの要件を満たしていれば、ユニット型個室に分類される。

(5)共同生活室(第一号ロ)

 [1] 共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有するものでなければならない。このためには、次の2つの要件を満たす必要がある。
  イ 他のユニットの入居者が、当該共同生活室を通過することなく、施設内の他の場所に移動することができるようになっていること。
  ロ 当該ユニットの入居者全員とその介護等を行う従業者が一度に食事をしたり、談話等を楽しんだりすることが可能な備品を備えた上で、当該共同生活室内を車椅子が支障なく通行できる形状が確保されていること。

 [2] 共同生活室の床面積
  共同生活室の床面積について「標準とする」とされている趣旨は、居室の床面積について上記(4)の[5]にあるのと同様である。

 [3] 共同生活室には、要介護者が食事をしたり、談話等を楽しんだりするのに適したテーブル、椅子等の備品を備えなければならない。
  また、入居者が、その心身の状況に応じて家事を行うことができるようにする観点から、簡易な流し・調理設備を設けることが望ましい。

(6)洗面設備(第一号ハ)

 洗面設備は、居室ごとに設けることが望ましい。ただし、共同生活室ごとに適当数設けることとしても差し支えない。この場合にあっては、共同生活室内の1ヶ所に集中して設けるのではなく、2ヶ所以上に分散して設けることが望ましい。なお、居室ごとに設ける方式と、共同生活室ごとに設ける方式とを混在させても差し支えない。

(7)便所(第一号ニ)

 便所は、居室ごとに設けることが望ましい。ただし、共同生活室ごとに適当数設けることとしても差し支えない。この場合にあっては、共同生活室内の1ヶ所に集中して設けるのではなく、2ヶ所以上に分散して設けることが望ましい。なお、居室ごとに設ける方式と、共同生活室ごとに設ける方式とを混在させても差し支えない。

(8)浴室(第二号)

 浴室は、居室のある階ごとに設けることが望ましい。

(9)廊下(第四号)

 ユニット型特別養護老人ホームにあっては、多数の入居者や従業者が日常的に一度に移動することはないことから、廊下の幅の一律の規制を緩和する。
 ここでいう「廊下の一部の幅を拡張することにより、入居者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合」とは、アルコープを設けることなどにより、入居者、従業者等がすれ違う際にも支障が生じない場合を想定している。
 このほか、ユニット型指定介護老人福祉施設の廊下の幅については、第3の2を準用する。この場合において、第3の2中「静養室」とあるのは「共同生活室」と読み替えるものとする。

(10)ユニット型指定介護老人福祉施設の設備については、上記の(1)から(9)までによるほか、第3の1及び3を準用する。

4 利用料等の受領

 第4の7は、ユニット型指定介護老人福祉施設について準用する。この場合において第4の7の(1)及び(4)中「基準省令第9条」とあるのは「基準省令第41条」と読み替えるものとする。〔基準第9条関係〕

5 指定介護福祉施設サービスの取扱方針

(1)基準省令第42条第1項は、基準省令第39条第1項の基本方針を受けて、入居者へのサービスの提供は、入居者が自律的な日常生活を営むことができるよう支援するものとして行われなければならないことを規定したものである。
 入居者へのサービスの提供に当たっては、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮することが必要であり、このため職員は、1人1人の入居者について、個性、心身の状況、入居に至るまでの生活歴とその中で培われてきた生活様式や生活習慣を具体的に把握した上で、その日常生活上の活動を適切に援助しなければならない。
 なお、こうしたことから明らかなように、入居者の意向に関わりなく集団で行うゲームや、日常生活動作にない動作を通じた機能訓練など、家庭の中では通常行われないことを行うのは、サービスとして適当でない。

(2)基準省令第42条第2項は、基準省令第39条第1項の基本方針を受けて、入居者へのサービスの提供は、入居者がユニットにおいて相互に社会的関係を築くことができるよう、それぞれ役割を持って生活を営めるように配慮して行われなければならないことを規定したものである。
 このため職員は、入居者相互の信頼関係が醸成されるよう配慮することが必要であるが、同時に、入居者が他の入居者の生活に過度に干渉し、自律的な生活を損なうことのないようにすることにも配慮が必要である。

6 介護

(1)基準省令第43条第1項は、介護が、基準省令第42条第1項及び第2項の指定介護福祉施設サービスの取扱方針を受けた適切な技術をもって行わなければならないことを規定したものである。
 自律的な日常生活を営むことを支援するという点では、入居者の日常生活上の活動への援助が過剰なものとなることのないよう留意する必要がある。
 また、入居者が相互に社会的関係を築ぐことを支援するという点では、単に入居者が家事の中で役割を持つことを支援するにとどまらず、例えば、入居者相互の間で、頼り、頼られるといった精神的な面での役割が生まれることを支援することにも留意する必要がある。

(2)基準省令第43条第2項の「日常生活における家事」には、食事の簡単な下準備や配膳、後片付け、清掃やゴミ出しなど、多様なものが考えられる。

(3)基準省令第43条第3項は、入浴が、単に身体の清潔を維持するだけでなく、入居者が精神的に快適な生活を営む上でも重要なものであることから、こうした観点に照らして「適切な方法により」これを行うこととするとともに、同様の観点から、一律の入浴回数を設けるのではなく、個浴の実施など入居者の意向に応じることができるだけの入浴機会を設けなければならないことを規定したものである。

(4)ユニット型指定介護老人福祉施設における介護については、上記の(1)から(3)までによるほか、第4の11の(3)から(7)までを準用する。この場合において、第4の11の(7)中「第7項」とあるのは「第8項」と読み替えるものとする。
〔基準第13条関係〕

7 食事

(1)基準省令第44条第3項は、基準省令第42条第1項の指定介護福祉施設サービスの取扱方針を受けて、食事は、入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に提供しなければならないこと、また、施設側の都合で急かしたりすることなく、入居者が自分のペースで食事を摂ることができるよう十分な時間を確保しなければならないことを規定したものである。

(2)基準省令第44条第4項は、基準省令第39条第1項の基本方針を受けて、入居者の意思を尊重し、また、その心身の状況に配慮した上で、できる限り離床し、共同生活室で食事を摂ることができるよう支援しなければならないことを規定したものである。
 その際、共同生活室で食事を摂るよう強制することはあってはならないので、十分留意する必要がある。

(3)ユニット型指定介護老人福祉施設における食事については、上記の(1)及び(2)によるほか、第4の12の(1)から(7)までを準用する。〔基準第14条関係〕

8 社会生活上の便宜の提供等

(1)基準省令第45条第1項は、基準省令第42条第1項の指定介護福祉施設サービスの取扱方針を受けて、入居者1人1人の嗜好を把握した上で、それに応じた趣味、教養又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、同好会やクラブ活動などを含め、入居者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならないことを規定したものである。

(2)ユニット型指定介護老人福祉施設の居室は、家族や友人が来訪・宿泊して入居者と交流するのに適した個室であることから、これらの者ができる限り気軽に来訪・宿泊することができるよう配慮しなければならない。

(3)ユニット型指定介護老人福祉施設における社会生活上の便宜の提供等については、上記の(1)及び(2)によるほか、第4の14の(2)から(4)までを準用する。この場合において、第4の14の(2)中「同条第2項」とあるのは「第45条第2項」と、同(3)中「同条第3項」とあるのは「第45条第3項」と、同(4)中「同条第4項」とあるのは「第45条第4項」と読み替えるものとする。

9 運営規程(基準省令第46条)

(1)入居者に対する指定介護福祉施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額(第五号)

 「指定介護福祉施設サービスの内容」は、入居者が、自らの生活様式や生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるように、一日の生活の流れの中で行われる支援の内容を指すものであること。
 また、「その他の費用の額」は、基準省令第41条第3項により支払を受けることが認められている費用の額を指すものであること。

(2)第4の22の(1)及び(3)から(5)までは、ユニット型指定介護老人福祉施設について準用する。この場合において、第4の22中「基準省令第23条」とあるのは「基準省令第46条」と、「同条第一号から第七号まで」とあるのは「同条第一号から第八号まで」と、同(3)中「第五号」とあるのは「第六号」と、同(4)中「第六号」とあるのは「第七号」と、同(5)中「第七号」とある のは「第八号」と読み替えるものとする。〔基準第23条関係〕

10 勤務体制の確保等

(1)基準省令第47条第2項は、基準省令第42条第1項の指定介護福祉施設サービスの取扱方針を受けて、従業者の勤務体制を定めるに当たっては、継続性を重視したサービスの提供に配慮しなければならないことを規定したものである。
 これは、従業者が、1人1人の入居者について、個性、心身の状況、生活歴などを具体的に把握した上で、その日常生活上の活動を適切に援助するためには、いわゆる「馴染みの関係が求められることによるものである。

(2)ユニット型指定介護老人福祉施設において配置を義務付けることとしたユニットごとの常勤のユニットリーダーについては、当面は、ユニットケアリーダー研修を受講した従業者(以下「研修受講者」という。)を各施設(一部ユニット型の施設も含む。)に2名以上配置する(ただし、2ユニット以下の施設の場合には、1名でよいこととする。)ほか、研修受講者が配置されているユニット以外のユニットでは、ユニットにおけるケアに責任を持つ(研修受講者でなくても構わない。)従業者を決めてもらうことで足りるものとする。
 この場合、研修受講者は、研修で得た知識等をリーダー研修を受講していないユニットの責任者に伝達するなど、当該施設におけるユニットケアの質の向上の中核となることが求められる。
 またユニットリーダーについて必要とされる研修受講者の数には、当面は、ユニットリーダー以外の研修受講者であって、研修を受講していないユニットリーダーに対して研修で得た知識等を伝達するとともに、ユニットケアに関してて指導及び助言を行うことができる者を含めて差し支えない。
 ユニット型指定介護老人福祉施設(以下(2)において「ユニット型施設」という。)とユニット型又は一部ユニット型の指定短期入所生活介護事業所(以下(2)において「ユニット型事業所」という。)が併設されている場合には、研修受講者をそれぞれに2名以上配置する必要はなく、ユニット型施設及び併設するユニット型事業所を一体のものとみなして、合計2名以上の研修受講者が配置されていればよいこととする(ただし、ユニット型施設及び併設するユニット型事業所のユニット数の合計が2ユニット以下のときには1名でよいこととする。)。
 なお、平成18年4月1日の時点で上記の要件を満たす研修受講者が2名に満たない施設については、平成19年3月31日までの間に満たせばよいこととする。
また、今後の研修受講者の状況等を踏まえた上で、配置基準を再検討する予定であるので、この当面の基準にかかわらず、多くの従業者について研修を受講していただくよう配慮をお願いしたい。

(3)ユニット型指定介護老人福祉施設における勤務体制の確保等については、上記の(1)及び(2)によるほか、第4の23を準用する。この場合において、第4の23中「第24条」とあるのは「第47条」と、同(3)中「同条第2項」とあるの は「同条第3項」と、同(4)中「同条第3項」とあるのは「同条第4項」と読み替えるものとする。〔基準第24条関係〕

11 準用
 基準省令第49条の規定により、基準省令第4条から第8条まで、第10条、第12条、第15条、第17条から第22条の2まで及び第26条から第37条までの規定は、ユニット型指定介護老人福祉施設について準用されるものであるため、第4の1から6まで、8、10、13、15から21まで及び24から32までを参照されたい。この場合において、第4の10の(5)のなお書きは、「なお、ここでいう指定介護福祉施設サービスの内容は、入居者が自らの生活様式や生活支援に沿って、自律的な日常生活を営むことができるように、1日の生活の流れの中で行われる支援の内容を指すものである。」と読み替えるものとする。

第6 一部ユニット型指定介護老人福祉施設

1 第6章の趣旨

 平成15年4月1日に現に存する指定介護老人福祉施設(建築中のものを含む。)が、その建物を同日以降に改修、改築又は増築して施設の一部にユニットを造り、ユニットケアを行う場合、また、同日において現に存する指定介護老人福祉施設(建築中のものを含む。)が同日において現に有している(建築中のものを含む。)ユニットで施設の一部においてユニットケアを行う場合は、これを一部ユニット型指定介護老人福祉施設とし、その基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、第1章、第3章及び第4章ではなく、第6章に定めるところによるものである。なお、人員に関する基準については、第2章(基準省令第2条)に定めるところによるので、留意すること。

2 基本方針

 基準省令第51条は、一部ユニット型指定介護老人福祉施設の基本方針は、ユニット部分にあってはユニット型指定介護老人福祉施設の基本方針(基準省令第39条)に、また、それ以外の部分にあっては指定介護老人福祉施設の基本方針(基準省令第1条)に定めるところによることを規定したものである。
 これを受けて、設備、利用料等の受領、指定介護福祉施設サービスの取扱方針、介護、食事、社会生活上の便宜の提供等、勤務体制の確保等及び定員の遵守について、基準省令第52条から第57条まで、第59条及び第60条に、ユニット部分の基準とそれ以外の部分の基準を規定している。

3 運営規程(基準省令第58条)

 入居(入所)定員並びに指定介護老人福祉施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額については、ユニット部分とそれ以外の部分のそれぞれについて明らかにしなければならない。

4 従業者の配置の基準等

(1)基準省令第2条第1項第三号イに規定する基準は、ユニット部分とそれ以外の部分のそれぞれで満たさなければならない。

(2)日中にユニット部分の入居者に対するサービスの提供に当たる介護職員又は看護職員が、その時間帯においてそれ以外の部分の入所者に対してサービスの提供を行う勤務体制とすることは、望ましくない。

5 一部ユニット型指定介護老人福祉施設のユニット部分については第5に、また、それ以外の部分については第2から第4までに、それぞれ定めるところによる。

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