注:文中の[ ]内数字は、原文では丸付数字です(機種依存文字を避けるため、表示を変えています)。また、従来の運営要領を、平成19年度 生活保護基準・生活保護実施要領等(案)を元に修正していますので、誤りがあるかもしれません。

生活保護法による介護扶助の運営要領について
(平成12年3月31日 社援第825号)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生省社会・援護局長通知)

 生活保護法(昭和25年法律第144号)第15条の2に規定する介護扶助の運営要領を次のとおり定めたので、生活保護に関する法令、告示及び通知に基づくほか、この運営要領により介護扶助の実施に万全を期されたい。

介護扶助運営要領

目次(原文にはありません。)

第1 介護扶助運営方針
第2 介護扶助運営体制
第3 被保険者である被保護者等に関する市町村への連絡
第4 要介護認定及び居宅介護支援計画の作成について
第5 介護扶助実施方式
第6 介護扶助指定介護機関
第7 介護の報酬の審査及び支払
第8 指導及び検査
第9 施行期日

第1 介護扶助運営方針

 この運営要領は、生活保護法(以下「法」という。)による介護扶助の適正な実施を図るため、都道府県知事(指定都市及び中核市の市長を含む。以下同じ。)の行う介護機関の指定、介護の報酬の決定等の事務並びに保護の実施機関の行う介護扶助の決定及び実施に関する事務の処理の要領を示したものであって、都道府県知事及び保護の実施機関は、介護扶助に関する事務の実施に際して、生活保護に関する法令、告示及び通知に基づくほか、この運営要領によって事務を処理し、もって適正かつ円滑な実施を期すること。

1 要保護者に対する助言・指導

 介護保険制度は、社会連帯の理念に基づき、利用者の選択により保健・医療・福祉にわたる介護サービスを総合的に利用することを保障する社会保険制度であり、被保護者についても被保険者とし、介護扶助とあいまって保険給付の対象となる介護サービスの利用を権利として保障するものである。
 このため、在宅又は入院若しくは入所中で現に介護サービスを利用している要保護者や、要介護又は要支援の状態にあり、介護サービスの利用により生活の向上を図ることができると思われる要保護者に対しては、その利用を勧めること。
 また、運用に当たっては、法の趣旨から一定の制約と福祉事務所の関与が必要であるとともに、要介護認定を受けて居宅介護支援計画を作成することが必要であるなど医療扶助と利用の仕組みが大きく異なることから、利用の手続きについて適切な助言・指導を行うこと。

2 関係機関等との連携

 介護扶助の円滑かつ適切な実施については、保護の実施機関や被保護者はもとより、都道府県の介護保険担当部局、市町村、指定介護機関、国保健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)、民生委員等の関係機関が、この制度趣旨を十分に理解して事務を実施することが、その目的を達成するために不可欠であるので、関係機関等との密接な連携を図り、その協力が得られる体制を確保すること。

(1)指定介護機関

 指定介護機関に対し、指定介護機関介護担当規程(平成12年3月厚生省告示第191号)に規定する福祉事務所への協力義務について周知するとともに、福祉事務所への協力を要請すること。

(2)民生委員

 民生委員協議会等を通じて、介護扶助制度について十分な理解を求め、要保護者に対する周知について協力を得ること。

(3)市町村及び国民健康保険団体連合会

 介護保険者である市町村(広域連合及び一部事務組合を含む。以下同じ。)及び審査・支払機関である国保連に対して、次の保険者事務が円滑に行われるよう協力すること。
 ア 介護保険料の賦課及び高額介護サービス費等の支給に関して被保護者に適用される所得区分の適用のための情報提供
 イ 救護施設入所者の介護保険適用除外のための情報提供
 また、市町村に対し、福祉事務所が被保険者以外の者に係る介護扶助のための要介護状態等の審査判定を委託して行うことについて協力を要請すること。

(4)都道府県介護保険担当部局

 都道府県介護保険担当部局に対して、介護保険の指定又は開設許可を行った介護機関(市町村が指定した地域密着型サービス事業者及び地域密着型介護予防サービス事業者を含む。)に関する情報提供を依頼し、介護保険の指定等が行われた場合には、速やかに生活保護の介護機関に係る指定を行うことができるよう協力を得ること。
 なお、国の開設した介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設に係る介護扶助の指定は、厚生労働大臣が行うものであるので、留意すること。

第2 介護扶助運営体制

 介護扶助関係事務を円滑かつ適切に実施できるよう、次の運営体制を標準として、その事務処理体制を整備すること。

1 都道府県、指定都市及び中核市の本庁関係

(1)介護係等

 都道府県本庁(指定都市及び中核市にあっては市本庁とする。イを除き以下同じ。)主管課に、可能な限り専任で介護扶助事務を担当する介護係又は介護扶助事務主任者(以下「介護係等」という。)を置くこと。
 介護係等の行うべき事務は、おおむね次のとおりであるが、医療係、技術吏員及び介護保険担当部局と密接な連携を図り、介護扶助の実施に遺漏のないよう留意すること。
 ア 管内福祉事務所の介護扶助運営体制の整備及び実施に関する必要事項の助言及び連絡調整
 イ 介護扶助の事務監査(都道府県及び指定都市本庁に限る。)
 ウ 指定介護機関の指定
 エ 指定介護機関の指定に関する告示並びに管内福祉事務所、審査・支払機関及び指定居宅介護支援事業者及び指定地域包括支援センターに対する通知
 オ 指定介護機関に対する指導及び検査
 カ 国保連との契約締結及び連絡調整
 キ 都道府県知事による介護の報酬の決定
 ク 介護扶助関係統計分析
 ケ その他介護扶助の実施に関する事項

(2)医系職員

 医系職員(医師等、医療に関する専門的な知識を有する職員をいう。以下同じ。)の行うべき主な事務は次のとおりである。
 ア 介護機関の指定・取消に当たっての医学的判断
 イ 介護扶助の給付の要否につき本庁に対する協議があった場合の医学的判断
 ウ その他介護扶助運営上必要な医学的判断

(3)手続き書類及び運営台帳

 都道府県本庁においては、次に掲げる書類を整備すること。
 ア 生活保護法施行規則(昭和25年厚生省令第22号。以下「規則」という。)様式第10条の2に規定する指定介護機関申請書及び第14条、第15条に規定する変更等届書
 イ 指定介護機関名簿(福祉事務所別、サービスの種類別)(様式第1号)
 ウ 指定申請書(変更届書、休止・廃止届書、再開届書、処分届書、指定辞退届書)受理簿(様式第2号)

2 福祉事務所関係

(1)査察指導員

 査察指導員は、次の業務を行い、介護扶助の現状を常に把握するとともに、査察指導について計画を策定するなど計画的に実施し、地区担当員、嘱託医等との組織的連携に努める等介護扶助適正実施の推進を図ること。
 ア 管内の介護扶助の現状把握と問題点分析
 イ 地区担当員の指導とその効果の確認
 ウ 指定介護機関、介護保険者等に対する連絡調整の総括

(2)地区担当員

 地区担当員は、査察指導員、嘱託医等との組織的な連携のもとに次の事務にあたること。
 ア 65歳以上の被保険者である被保護者に対する介護保険料納付に係る指導
 イ 被保険者以外の者に係る要介護状態等の審査判定の市町村への委託業務
 ウ 要保護者に対する指定介護機関の紹介その他指定介護機関の選択に関わる相談に応じる業務
 エ 介護扶助の要否判定、程度の決定
 オ 介護施設を訪問して行う生活指導
 カ 居宅介護支援計画又は介護予防支援計画に基づくサービス提供実績の確認
 キ 介護の報酬請求明細書の内容検討
 ク 指定介護機関、介護保険者等との連絡調整

(3)嘱託医

 嘱託医は、査察指導員、地区担当員等からの要請に基づき、次の事項について、専門的判断及び必要な助言指導を行うこと。
 ア 40歳以上65歳未満の要保護者が特定疾病に該当するか否かの判断
 イ 要保護者についての調査、指導又は検診
 ウ 長期入院患者の介護扶助への移行の適否についての療養上の検討
 エ その他介護扶助に関する医学的判断

(4)介護扶助事務担当者

 介護扶助事務担当者は、介護扶助の円滑な実施を図るため必要な次の事務を処理すること。
 ア 介護券の発行事務
 イ 介護給付費公費受給者別一覧表と介護券交付処理簿との照合
 ウ 被保険者である被保護者(第2号被保険者については、現に介護サービスを受給する被保護者に限る。)及び救護施設入所者に関する市町村への連絡事務
 エ 被保険者以外の介護扶助受給者に関する国保連への連絡事務

(5)介護券交付処理簿及び手続書類

 福祉事務所においては、介護券交付処理簿を作成するほか、次に掲げる手続書類用紙を印刷し、常備すること。
 ア 介護券(様式第3号)
 イ 被保護者情報連絡表(保険者用)(様式第4号の1)
 ウ 介護扶助受給者情報連絡表(保険者用)(様式第4号の2)
 エ 被保護者異動連絡票(国保連用)(様式第5号)
 オ 被保護者異動訂正連絡票(国保連用)(様式第6号)

(6)本省に対する情報提供

 保護の実施機関は、介護保険の介護の方針及び介護の報酬により難いものについては、介護扶助の特別基準の設定につき情報提供すること。なお、その際には次の事項に関する書類を添付すること。
 ア 特別基準を必要とする理由
 イ 特別基準の申請額およびこれが最低限度の額であることを証する書類
 ウ 関係専門医等の意見
 エ その他アに関連して参考となる資料

(7)都道府県本庁に対する技術的助言の求め

 福祉事務所長は、都道府県知事に対し、次の点について必要に応じて連絡し又は技術的な助言を求めること。
 ア 介護機関等の指定に関する事項
 イ 介護扶助の要否の判定又は保護の決定実施上の判断に関し疑義があると福祉事務所長が認めた事項
 ウ 他法他施策関係について必要とされる事項
 エ その他特に求められた事項

第3 被保険者である被保護者等に関する市町村への連絡

1 基本的考え方

 介護保険制度においては、被保護者について最も低い段階の介護保険料及び高額介護サービス費等に係る自己負担上限額が適用されることとされている。
 そこで、扶助額の適正な決定や被保護者による介護サービスの適正な利用、さらには保護の目的を達成する等のためには、保険者において、被保護者である被保険者を適切に把握する必要があり、この把握に遺漏のないよう、福祉事務所において65歳以上の被保険者である被保護者、40歳以上65歳未満の被保険者である被保護者(現に介護サービスを利用する者に限る。)及び介護保険の適用除外者に関する市町村への連絡事務を一括して行う必要があるものである。

2 被保険者である被保護者に係る情報提供

(1)65歳以上の被保険者である被保護者に係る情報提供

 ア 福祉事務所は、毎年度当初、被保護者情報連絡表により、次に掲げる者についてそれぞれの保険者へ情報提供を行うこと。
 (ア)4月1日現在の被保護者のうち65歳以上の者
 (イ)当該年度において65歳に到達する被保護者
 イ 福祉事務所は、アによる情報提供のほか、65歳以上の者について保護の開始、停止又は廃止の処分(4月1日付けの処分を除く。)を行ったときは、任意の様式により、それぞれの保険者へ随時情報提供を行うこと。

(2)介護扶助の開始、停止又は廃止に伴う介護扶助受給者に係る情報提供について

 福祉事務所は、65歳以上の被保険者である被保護者及び40歳以上65歳未満の被保険者である被保護者について介護扶助の開始、停止又は廃止の処分を行ったときは、様式第4号の2の介護扶助受給者情報連絡表により保険者へ情報提供を行うこと。

3 適用除外施設入所者に係る情報提供

 福祉事務所は、別に定めるところにより、介護保険の適用除外者(救護施設入所者)に係る情報提供を行うこと。

第4 要介護認定等及び居宅介護支援計画等の作成について

1 基本的考え方

 介護扶助については、介護保険制度の保険給付の対象となる介護サービスと同等のサービスを、介護保険制度とあいまって、要保護者に対し保障するものである。
 そこで、要保護者は、原則的には、介護保険制度の被保険者として介護保険法の規定に基づき要介護認定又は要支援認定(以下「要介護認定等」という。)を受け、要介護状態又は要支援状態(以下「要介護状態等」という。)に応じ介護保険給付及び介護扶助を受けることとなる。
 また、介護保険制度の被保険者でない40歳以上65歳未満の要保護者で介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第2条各号の特定疾病により要介護状態等にあるものについても、介護扶助の要否判定に当たり被保険者と同様に要介護状態等の審査判定を受け、要介護状態等に応じ介護扶助を受けることとするものである。
 なお、介護扶助の居宅介護の範囲は、居宅介護支援計画に基づいて行うものに限られており、また、介護予防の範囲は、介護予防支援計画に基づいて行うものに限られていることから、被保険者については介護保険法の規定に基づき、被保険者でない者については介護扶助として、介護扶助の指定介護機関である居宅介護支援事業者又は地域包括支援センター(以下「居宅介護支援事業者等」という。)から居宅介護支援計画又は介護予防支援計画(以下「居宅介護支援計画等」という。)の策定を受け、当該計画に基づき介護扶助の指定介護機関から居宅介護又は介護予防(以下「居宅介護等」という。)を受けることとなる。

2 要介護認定

(1)介護保険の被保険者である要保護者

 ア 65歳以上の者
  介護保険法の規定に基づき、被保険者として要介護認定等を受けるものである。
  したがって、保護の実施機関においては、介護扶助を必要とすると認める場合においては、適切に要介護認定等が行われるよう、要保護者に対して助言及び指導を行われたい。
 イ 40歳以上65歳未満で特定疾病により要介護状態等にあるもの
  65歳以上の者と同様に、被保険者として要介護認定等を受けるものである。なお、要介護認定等に当たり特定疾病の該当性については、主治医の意見書の記載内容に基づき、市町村等に置かれる介護認定審査会が確認するものである。
  したがって、保護の実施機関においては、アと同様に、要保護者に対して助言及び指導を行われたい。
 ウ 主治医の意見書について
 (ア)文書料
   要介護認定等に必要な主治医の意見書の記載に係る経費は、介護保険の保険者が負担する。
 (イ)診察及び検査に要する費用
   意見書は、主治医が、それまでの診療等によって得られている情報に基づいて記載するものである。
   ただし、主治医がいない場合には、保険者の指定する医師が診断を行い、意見書を記載することとされていることから、その際に必要な診察及び検査に係る費用又は医療保険の自己負担分については、医療扶助を適用して差し支えない。なお、本人の主訴等がないため、医療保険及び医療扶助の対象とならない場合には、初診料相当分及び検査費用について保険者が負担することとされているので留意すること。

(2)介護保険の被保険者でない要保護者

 ア 概要
  介護保険制度の被保険者でないことから、要介護認定等については、介護扶助の要否判定の一環として生活保護制度で独自に行うこととなる。この場合の要介護状態等の判定区分、継続期間、療養上の留意事項等について、被保険者とそれ以外の者との間で統一を図る等のため、市町村に設置される介護認定審査会に審査判定を委託して行う。
 イ 要介護状態等の審査判定の町村への委託等
  郡部福祉事務所(都道府県介護認定審査会が設置される都道府県の福祉事務所を除く。)においては、介護扶助の実施のための要介護状態等の審査判定について、別に定めるところにより、その所管区域内の町村長(要介護認定業務を行う広域連合の長又は一部事務組合の管理者を含む。)と委託契約を締結するとともに、覚書を交わすこと。
  市町村福祉事務所においては、その設置する介護認定審査会に、介護扶助の実施のための要介護状態等の審査判定を依頼して行うこと。
 ウ 主治医の意見書について
  町村長等との委託契約を締結するに当たり、主治医の意見書記載に係る費用については、介護保険の額の例によること。また、診察及び検査費用の取扱いについては、介護扶助運営要領第4の2の(1)のウの(イ)(なお書きを除く。)と同様であること。
  なお、主治医意見書の徴収を町村長等へ委託せず、福祉事務所において検診命令により行い、意見書記載に係る費用について当該医師に直接支払うことも福祉事務所の判断により可能である。この場合の基準額については、「障害認定に係るもの」として、「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和38年4月1日社発第246号本職通知)の第9の4の(5)の規定に基づき、当該規定のかっこ書きに定める金額の範囲内で特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない。

(3)長期入院患者等の処遇の見直しについて

 介護保険制度は、社会的入院の解消がその創設の趣旨の一つであるが、医療扶助を受けている長期入院患者等のうち、単身で身寄りがないなど社会的入院を余儀なくされている要保護者については、介護保険及び介護扶助の導入によって、身体及び精神の状況に応じた適切な介護サービスが提供される体制が確保されることとなる。
 このため、医療扶助を受けている長期入院患者等について、主治医訪問や嘱託医協議を行うことにより、療養の継続の必要性、介護扶助への移行の適否等について検討し、介護扶助がその身体及び精神状況に照らし適当と判断される場合には、要介護認定を受けるよう指導すること。

3 居宅介護支援計画等について

(1)共通事項

 居宅介護等に係る介護扶助の申請は、居宅介護支援計画等の写しを添付して行うこととされている(ただし、被保険者以外の者については、申請時における居宅介護支援計画等の添付は要しない。)が、この居宅介護支援計画等は、原則として本法による指定介護機関の指定を受けた居宅介護支援事業者等が作成した介護保険法に規定する居宅サービス計画又は介護予防サービス計画(以下「居宅サービス計画等」という。)であること。
 なお、小規模多機能型居宅介護及び介護予防小規模多機能型居宅介護を利用する場合には、当該事業者の職員である介護支援専門員が居宅サービス計画等を作成することとされているが、その場合、当該計画を居宅介護支援計画等として取扱うものであること。

(2)被保険者

 ア 被保護者に対し、介護サービスを受けようとする場合は、居宅介護支援計画等の作成に先立ち、担当する福祉事務所に相談するよう指導すること。
 イ 居宅介護支援計画等の作成を行っていない要保護者が介護扶助を申請する場合には、福祉事務所は指定居宅介護支援事業者等の一覧を提示し、要保護者の意思により選択して作成するよう助言すること。
 ウ 申請者が非指定介護機関による介護支援計画作成等を希望する場合には、計画を作成し又は変更したときは直ちに福祉事務所に連絡すること及び連絡がなかった場合には介護扶助の決定が行われない場合があり得ることを十分周知すること。
 エ 要保護者が、既に非指定介護機関において居宅介護支援計画等の作成を受けている場合には、介護扶助の決定に当たり当該計画の介護扶助の基準該当性を審査し、不適切な場合は再度計画を作成するよう指示すること。ただし、保険給付が償還払いとなる場合を除き、非指定介護機関であることを理由として居宅介護支援事業者等の変更を指導する必要はないこと。
 オ 介護扶助の申請は、要保護者が居宅介護支援計画等の写しを提出して行うことが原則であるが、要保護者が希望する場合、及び要保護者からの提出を待っては保護の迅速かつ的確な決定に支障が生ずるおそれがある場合には、別に定めるところにより、本人の同意を得たうえで、直接指定居宅介護支援事業者等から居宅介護支援計画等の写しの交付を求めることとして差し支えないこと。

(3)被保険者以外の者

 ア 被保険者以外の者については、管内の指定居宅介護支援事業者等の一覧を要保護者に提示し、要保護者本人の意思により指定居宅介護支援事業者等を選択させた上で、介護券を発行し、居宅介護支援計画等の作成を委託して行うこと。
 イ 居宅介護支援計画作成等に係る報酬については、介護保険の居宅介護サービス計画費又は介護予防サービス計画費の例によることとし、国保連へ審査支払いを委託して行うものであること。

第5 介護扶助実施方式

1 介護扶助の申請

 介護扶助を申請する場合には、保護申請書の一般的記載事項のほか、介護保険の被保険者たる資格の有無、その他参考事項を記載したうえ、第4の3に規定する居宅介護支援計画等の写し(被保険者が居宅介護等を申請する場合に限る。)を添付し、福祉事務所長に提出させること。

2 介護扶助の決定

(1)決定の際の留意事項

 ア 居宅介護等に係る介護扶助の程度は、介護保険法に定める居宅介護サービス費等区分支給限度基準額又は介護予防サービス費等区分支給限度基準額の範囲内であること。したがって、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額又は介護予防サービス費等区分支給限度基準額を超える介護サービスについては、全額自己負担となることから利用を止めるよう指導すべきであること。
 イ 介護扶助の適用すべき期日は、原則として、保護申請書または保護変更申請書の提出のあった日以降において介護扶助を適用する必要があると認められた日とすること。
 ウ 要保護者の介護につき、介護扶助に優先して活用されるべき他法他施策による給付の有無を調査確認し、これがあると判断されるときは当該要保護者に対してこれを活用すべきことを指導するとともに、当該他法他施策の運営実施を管理する機関に連絡して、当該要保護者に対する処遇が適正円滑に行われるよう配意すること。
 エ 他市町村の地域密着型サービス等(居宅介護のうちの夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護及び地域密着型特定施設入居者介護、介護予防のうちの介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護及び介護予防認知症対応型共同生活介護並びに施設介護のうちの地域密着型介護老人福祉施設入所者介護をいう。以下において同じ。)の介護保険被保険者の利用は、当該地域密着型サービス等を行う事業者について、当該被保護者を被保険者とする市町村の指定を受けている場合に限られるものであるので留意すること。
 また、被保険者以外の者についても被保険者に準じた範囲とするものであること。

(2)本人支払額の決定

 本人支払額は、次により決定すること。
 ア 要保護者が介護扶助のみ又は介護扶助及び医療扶助の適用を受けるものである場合には、保護の実施要領についての通知の定めるところにより当該要保護者の属する世帯の収入充当額から当該世帯の医療費及び介護費を除く最低生活費を差し引いた額をもって介護費又は医療費の本人支払額とすること。
 イ 世帯で介護扶助と医療扶助を併せて受給する場合の本人支払額は、当該世帯が介護保険の被保険者である場合には、居宅介護等は月額15,000円、施設介護は月額15,000円及び施設入所日数に日額300円を乗じて得た額の合計額を上限として、また、介護保険の被保険者以外の世帯である場合には、介護費の全額を上限として、まず介護費に充当し、当該上限額を超える額について医療扶助運営要領第3の2の(2)に定めるところにより医療費に充当すること。
  ただし、介護扶助と併用で、次表の左欄に掲げる介護保険優先の公費負担医療等が適用となる者の本人支払額については、上記の上限額からその公費負担医療等の負担分を除いた額を上限額とすること。
  なお、被保険者以外の者については「障害者ホームヘルプサービス利用者に対する支援措置」は適用されないので留意すること。
公費負担医療等対象サービス負担割合
障害者自立支援法(精神通院医療)訪問看護、介護予防訪問看護100%
障害者自立支援法(更生医療)訪問看護、医療機関による訪問リハビリテーション、医療機関による通所リハビリテーション、介護予防訪問看護、医療機関による介護予防訪問リハビリテーション、医療機関による介護予防通所リハビリテーション、介護療養型医療施設(食費及び居住費を除く。)100%
原爆被爆者援護法(一般疾病医療費の給付)訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護(食費及び居住費を除く。)、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所療養介護(食費及び居住費を除く。)、介護老人保健施設(食費及び居住費を除く。)、介護療養型医療施設(食費及び居住費を除く。)100%
被爆体験者精神影響等調査研究事業訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護(食費及び居住費を除く。)、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防短期入所療養介護(食費及び居住費を除く。)、介護老人保健施設(食費及び居住費を除く。)、介護療養型医療施設(食費及び居住費を除く。)100%
障害者ホームヘルプサービス利用者に対する支援措置訪問介護、介護予防訪問介護、夜間対応型訪問介護97%
原爆被爆者の訪問介護利用者負担に対する助成事業訪問介護、介護予防訪問介護100%
原爆被爆者の介護保険等利用者負担に対する助成事業通所介護、短期入所生活介護(食費及び居住費を除く。)、介護予防通所介護、介護予防短期入所生活介護(食費及び居住費を除く。)、介護老人福祉施設(食費及び居住費を除く。)、地域密着型介護老人福祉施設(食費及び居住費を除く。)100%

 ウ 施設介護以外の本人支払額については、まず、居宅介護等に充当するものとし、以下福祉用具又は介護予防福祉用具(以下「福祉用具等」という。)、住宅改修又は介護予防住宅改修(以下「住宅改修等」という。)、移送の各給付の順に充当するものとすること。
 エ 施設介護の本人支払額については、まず、(被保険者である場合には月額15,000円を限度として)施設介護費(食費及び居住費を除く。)に充当し、これを超える額を食費、居住費の順に充当すること。

(3)介護扶助の変更に関する決定

 福祉事務所長は、現に介護扶助を受けている者が次に該当すると認められたときは、介護扶助の変更に関する決定(保護の変更の決定)を行うこと。
 ア 本人支払額を変更すべきことを確認したとき。
 イ 指定介護機関を変更すべきことを確認したとき。
 ウ 居宅介護から施設介護に、又は施設介護から居宅介護に変更すべきことを確認したとき。
 エ 居宅介護から介護予防に、又は介護予防から居宅介護若しくは施設介護に変更すべきことを確認したとき。
 オ 障害者自立支援法等他法が適用されたことにより介護扶助の基準額を変更すべきことを確認したとき。
 カ 福祉用具等、住宅改修等若しくは移送の給付を必要とすることを確認したとき、又はこれらの給付につき変更すべきことを確認したとき。

(4)月の中途で保護を開始又は廃止した場合の取り扱い

 月の中途で保護が開始又は廃止された場合、介護の報酬が1日又は1回単位とされているサービスについては、保護適用期間中について介護扶助を決定することとし、介護券に有効期間を記載すること。
 また、介護の報酬が月単位とされているサービス(福祉用具貸与及び介護予防訪問介護等)については、開始日からその月の末日まで又は廃止月の初日から廃止日までの日数に応じて日割りにより介護扶助を決定すること。
 なお、居宅介護支援計画等作成に係る介護扶助費(被保険者以外の場合に限る。)については日割りは行わないものとする。

(5)被保護者に対する通知

 福祉事務所長は、要保護者について介護扶助の開始、変更、停止又は廃止(他法他施策の活用に伴い保護を変更、停止又は廃止する場合を含む。)に関する決定をしたときは、一般の例に従い、保護決定通知書又は保護停止、廃止決定通知書により、申請者又は被保護者に対して通知すること。
 なお、被保険者以外の者に係る保護決定通知には、その決定理由欄に、当該決定の前提となった要介護状態等の区分を記載すること。

(6)介護券の発行

 介護扶助は、福祉用具等、住宅改修等及び移送を除き、介護券を発行して行うものとすること。
 福祉事務所は、介護扶助を決定した指定介護機関へ介護券を送付すること。
 介護券の種類は、生活保護単独又は介護保険若しくは他の公費負担医療等との併用の別、介護サービスの種類を問わず1種類とすること。
 ア 介護券の発行単位
  介護券は暦月を単位として発行するものとし、介護の給付が月の中途を始期又は終期とする場合は、それによる有効期間を記載した介護券を発行するものとすること。
 イ 介護券の有効性
  介護券は、福祉事務所において所要事項を記載し、福祉事務所長印を押したものをもって有効とするものであること。
  介護券の修正は、福祉事務所において当該介護券の記載事項について所要の訂正を行い、福祉事務所長印を当該訂正箇所に押したものをもって有効とすること。
 ウ 介護機関に対する委託
  介護扶助は、原則として、居宅介護支援計画等に記載されている指定介護機関について介護券を発行すること。
  居宅サービス事業者及び介護予防サービス事業者は、事業者と要保護者の居住地との距離等を考慮し、特段の理由がない限り、別途交通費が必要となる居宅サービス事業者及び介護予防サービス事業者の利用は認められないものである。
 エ 介護券の作成
  介護券の各欄には福祉事務所長が介護券を発行する際に所要事項を記入すること。なお、本人支払額がない場合にはその欄に斜線を引くこと。
 オ 介護券の送付
  介護券は指定介護機関に直接送付すること。なお、介護券の取扱いに関し、指定介護機関に対して以下の点を指導すること。
 (ア)有効な介護券の確認
   被保護者への介護サービスの提供にあたっては、有効な介護券であるかを確認すること。
 (イ)本人支払額の徴収
   指定介護機関は、第6の2による場合を除くほか、介護券の送付のあった被保護者から、介護券に記載されている本人支払額以上の利用者負担を徴収しないこと。
 (ウ)介護券から介護給付費明細書への正確な転記
   国保連及び都道府県市本庁における審査支払い並びに福祉事務所における介護券交付処理簿と介護給付費公費受給者別一覧表との照合が円滑に行われるよう、介護券から介護給付費明細書に必要事項を正確に転記すること。
   なお、生活保護制度においては原則として受給者番号に固定番号を使用しないことから、福祉事務所が交付する介護券の受給者番号を確認の上、これをレセプトの公費受給者番号の欄に転記すること。
 (エ)介護券の保管及び処分
   福祉事務所において介護給付費公費受給者別一覧表を点検する際、指定介護機関に対して、介護券を交付したものについての請求であるか否かの確認が必要となることが予想されることから、指定介護機関は、福祉事務所における確認作業までの間、介護券を保管し、確認終了後は指定介護機関の責任の下、処分すること。
   なお、指定介護機関における介護券の保管期間については、管内福祉事務所におけるレセプトの点検期間を考慮し、各都道府県市において定めることとする。

(7)基準該当事業者及び離島等における相当サービスの取扱い

 ア 基準該当居宅サービス若しくは基準該当介護予防サービス又は基準該当居宅介護支援若しくは基準該当介護予防支援
  基準該当事業者は、介護扶助を委託する指定介護機関の指定対象とならないが、当該地域において指定介護機関を利用することが困難な場合など、やむを得ないと認められる場合には介護扶助を適用して差し支えないこと。
 イ 離島等における相当サービス
  指定介護機関に委託することが困難な場合には、非指定介護機関に対する委託とするか又は金銭給付によること。

(8)被保護者異動連絡票及び被保護者異動訂正連絡票の作成及び送付

 ア 被保険者以外の被保護者に係る介護の報酬の審査及び支払業務について国保連に委託した場合で当該保護者について次に掲げる異動があったときには、その都度、別に定めるところにより被保護者異動連絡票を作成し、国保連へ送付すること。
 (ア)介護扶助の開始(広域連合又は福祉事務所を複数設置する市の区域内における転居により、保護の実施機関が替わったことに伴う開始を除く。)
 (イ)様式第5号に記載する事項に変更を生じたとき
 (ウ)介護扶助の廃止(広域連合又は福祉事務所を複数設置する市の区域における転居により、保護の実施機関が替わったことに伴う廃止を除く。)又は介護保険の被保険者資格を取得したとき
 イ アの被保護者異動連絡票の記載に誤りがあった場合には、被保護者異動連絡票の再発行ではなく、別に定めるところにより、被保護者異動訂正連絡票を作成し、国保連に送付すること。

3 福祉用具等

(1)福祉用具等の給付方針

 ア 原則として指定特定福祉用具販売事業者又は指定特定介護予防福祉用具販売事業者から購入する福祉用具であること。
 イ 福祉用具の種目は、厚生労働大臣が定める特定福祉用具販売に係る特定福祉用具の種目及び厚生労働大臣が定める特定介護予防福祉用具販売に係る特定介護予防福祉用具の種目(平成11年3月厚生省告示第94号)に規定する種類の福祉用具であること。
 ウ 介護保険の被保険者以外の者にあっては、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)第77条第1項第2号の規定に基づく日常生活上の便宜を図るための用具の給付又は貸与を受けることができない場合であること。

(2)費用

 福祉用具等の費用は、当該被保護者の保険者たる市町村(被保険者以外の者については居住する市町村)における、介護保険法に規定する居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額又は介護予防福祉用具購入費支給限度基準額(以下「限度額」という。)の範囲内において必要な最小限度の額とすること。

(3)福祉用具等の給付方法

 ア 被保護者の申請に基づき、購入予定の福祉用具が(1)の対象か否かをカタログ等により種目を確認のうえ、給付を決定し、原則として金銭給付の方法により支給すること。また、購入後、領収書等により購入を確認すること。
 イ 介護保険の被保険者については、領収書等により保険給付の申請をするよう指導し、償還払いによる保険給付があったときはこれを法第63条の規定により返還させること。
 ウ 居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額及び介護予防福祉用具購入費支給限度基準額の管理期間は4月から翌年の3月までの1年間とされており、同一種目で用途及び機能が異なる場合、破損した場合並びに介護の程度が著しく高くなった場合を除いて、同一種目について支給することができないなどにより、福祉事務所において給付実績を記録、管理し、管理期間において限度額を超えないよう留意する必要があることから、給付実績の記録方法等につき配慮されたいこと。
  なお、やむを得ない理由により、限度額を超えて給付が必要と認められる場合には、特別基準の設定について厚生労働大臣に情報提供すること。

4 住宅改修等

(1)住宅改修等の範囲

 住宅改修等の範囲は、厚生労働大臣の定める居宅介護住宅改修費等の支給に係る住宅改修の種類(平成11年3月厚生省告示第95号)に規定する種類の住宅改修であること。

(2)住宅改修等の程度

 住宅改修等の程度は、当該被保護者の保険者たる市町村(被保険者以外の者については居住する市町村)における介護保険法に規定する居宅介護住宅改修費支給限度基準額又は介護予防住宅改修費支給限度基準額(以下「限度額」という。)の範囲内において必要最小限度の額とすること。なお、これにより難い場合には、特別基準の設定について厚生労働大臣に情報提供すること。

(3)住宅改修の給付方法

 ア 被保護者の申請に基づき、着工予定の住宅改修の費用が(1)の対象か否かを工事費見積書等により確認のうえ、給付を決定し、原則として金銭給付の方法により支給すること。また、完成後、領収書等により住宅改修が行われたことを確認すること。
 イ 介護保険の被保険者については、介護保険の事前申請が必要な場合には、事前申請手続きを行った上で介護扶助の申請を行うものであること。また、改修が行われた後、領収書等により保険給付の申請手続きをするよう指導し、償還払いによる保険給付があったときにはこれを法第63条の規定により返還させること。
 ウ 居宅介護住宅改修費支給限度基準額及び介護予防住宅改修費支給限度基準額の管理は、介護保険の例により行うものであるが、転居した場合又は介護の必要の程度が著しく高くなった場合を除いて、改めて給付は行われないなどにより、福祉事務所において給付実績を記録、管理し、限度額を超えないよう留意する必要があることから、給付実績の記録方法等につき配慮されたいこと。

5 移送

 移送費の支給は、次のいずれかに該当する場合に行うものとし、その費用は最小限度の実費とすること。なお、エについては、なるべく現物給付の方法によって行うこと。
 ア 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、福祉用具貸与、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防福祉用具貸与、介護予防認知症対応型通所介護及び介護予防小規模多機能型居宅介護の利用に伴う交通費又は送迎費(要保護者の居宅が当該事業所の通常の事業の実施地域以外である事業者により行われる場合であって、近隣に適当な事業者がない等真にやむを得ないと認められる場合に限る。)
 イ 短期入所生活介護及び短期入所療養介護、介護予防短期入所生活介護及び介護予防短期入所療養介護の利用に伴う送迎費
 ウ 居宅療養管理指導及び介護予防居宅療養管理指導のための交通費
 エ 介護施設へ入所、退所に伴う移送のための交通費

第6 介護扶助指定介護機関

 都道府県知事は、管内の事業者について、その事業所毎に次の基準により指定介護機関の指定を行うこと。

1 指定介護機関の指定基準

(1)法による介護扶助のための居宅介護等若しくは居宅介護支援計画等の作成、福祉用具若しくは介護予防福祉用具の給付又は施設介護を担当する機関は、申請のあったもののうち、介護保険法(平成9年法律第123号)第41条第1項本文、第42条の2第1項、第46条第1項、第48条第1項第3号、第53条第1項本文、第54条の2第1項本文若しくは第58条第1項の規定による指定又は同法第94条第1項の規定による許可を受けているものであって、介護扶助のための介護について理解を有していると認められるものについて指定するものとすること。

(2)指定介護機関介護担当規程(平成12年3月厚生省告示第191号)及び「生活保護法第54条の2第4項において準用する同法第52条第2項の規定による介護の方針及び介護の報酬を定める件」(平成12年4月厚生省告示第214号。以下「介護方針告示」という。)に従って、適切に介護サービスを提供できると認められることを条件として指定を行うものであること。

(3)法による指定取消しを受けた介護機関にあっては、原則として、指定の取消しの日から5年以上経過したものであること。ただし、法による指定取消しと同一の事由により介護保険法による指定又は開設の許可が取り消された場合であって、当該事由が解消されたとして再度介護保険法による指定又は開設の許可がなされたときは、この限りではないこと。

(4)特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、介護予防特定施設入居者生活介護及び介護予防認知症対応型共同生活介護については、入居に係る利用料が住宅扶助により入居できる額であること。

2 選定サービスの取扱い

 指定介護機関は、「指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)第48条第3項第2号に規定する特別な浴槽水等の提供その他の介護サービスの提供において利用者の選定により提供される特別なサービス(以下「選定サービス」という。)については、介護方針告示に掲げるものを除くほか、被保護者の選択に基づき提供し、当該選定サービスに係る費用を被保護者から徴収することができるものであること。
 なお、被保護者がこれらの選定サービスの提供を受ける場合においては、保護の実施機関は、第5の5により移送費を支給する場合を除くほか、当該選定サービスに係る費用について生活扶助若しくは介護扶助の加算を行い又は収入認定除外を行ってはならないこと。

3 その他

(1)要保護者のサービス事業者の選択権を尊重しつつ、介護扶助を適切に実施するためには、生活保護に理解を有する指定介護機関を十分確保することが重要であるため、介護保険担当部局と十分に連携の上、介護機関に対して説明会を開催したり、介護保険制度の指定介護機関に対して指定申請書を送付し申請を要請するなど、制度の周知及びその確保に努められたいこと。
 特にケアマネジメントを行う居宅介護支援事業者等については、居宅介護等に係る介護扶助を実施する際のその役割の重要性にかんがみ、十分な数の指定事業者確保に努めること。

(2)都道府県知事が、本法による指定介護機関の指定を行ったときは、当該都道府県の生活保護担当部局は、介護保険担当部局を通じ、その旨国保連へ通知すること(指定都市及び中核市の指定分を含む。)。
 指定都市又は中核市にあっては、指定介護機関の指定が行われたときは、当該介護機関所在地を所管する都道府県の生活保護担当部局へその旨通知すること。
(3)地域密着型サービス等を行う介護機関については、介護保険と異なり、事業所の所在地を管轄する都道府県知事の指定のみを受けるものであること。
 なお、被保護者に係る居宅介護等の委託の範囲については、第5の2(1)エによるものであるので、事業者に対して介護扶助における指定とサービス提供との関係について、指定手続き等の際に十分に説明すること。

第7 介護の報酬の審査及び支払

1 介護の報酬の審査及び支払

(1)審査、支払機関

 介護の報酬の審査機関は、国保連に設けられた介護給付費審査委員会(以下単に「審査委員会」という。)とし、支払機関は国保連とする。

(2)委託契約
 審査及び支払に関する事務の委託につき、都道府県知事及び市町村長は国保連理事長と別に定めるところにより契約を締結し、覚書を交換すること。

(3)審査及び支払の事務処理

 都道府県知事及び市町村長は、国保連から送付された介護給付費等請求額通知書及び介護給付費公費受給者別一覧表を、介護券を発行した福祉事務所に送付すること。

2 介護の報酬の決定

(1)都道府県知事は、国保連における審査の終了した明細書等について検討し、介護の報酬の額を決定することができるものである。ただし、介護の報酬の額の適否について審査委員会の審査を経ることになっているので、都道府県知事における介護の報酬の額の決定の際には、特に、被保護者の本人支払額との関係等介護扶助における特異な点につき審査を行ったうえで、介護の報酬の額を決定すればよいこと。

(2)都道府県知事は介護の報酬の額の決定に際して、減額査定を行った場合には査定内容を記録した審査録を作成すること。また、国保連の再審査に附されたものについては、再審査の結果を確認すること。

3 審査及び決定に関する注意事項

 介護の報酬の額について過誤払いがあったときは、国保連に通知し、翌月以降において支払うべき介護の報酬の額からこれを控除するよう措置すること。この場合、当該返還額について都道府県知事の決定手続を行うこと。
 ただし、過誤払いがあった当該介護機関に翌月以降において控除すべき介護の報酬がない場合は、これを返還させるよう措置すること。

第8 指導及び検査

1 指定介護機関に対する指導

(1)目的

 指定介護機関に対する指導は、被保護者の処遇の向上と自立助長に資するため、法による介護の給付が適正に行われるよう制度の趣旨、介護扶助に関する事務取扱等の周知徹底を図ることを目的とすること。

(2)対象

 指導は、すべての指定介護機関とすること。

(3)内容及び方法

 指導の形態は、一般指導と個別指導の2種類とすること。

  ア 一般指導
   一般指導は、法並びにこれに基づく命令、告示及び通知に定める事項について、その周知徹底を図るため、講習会、懇談、広報、文書等の方法により行うものとすること。

  イ 個別指導
  (ア)個別指導は、被保護者の処遇が効果的に行われるよう福祉事務所と指定介護機関相互の協力体制を確保することを主眼として、被保護者の介護サービスの給付に関する事務及び給付状況等について介護記録その他の帳簿書類等を閲覧し、懇談指導を行うものとすること。
    なお、個別指導を行った上、特に必要があると認められるときは、被保護者についてその介護サービスの受給状況等を調査することができるものとすること。
  (イ)個別指導は原則として実地に行うものとすること。ただし、新たに介護扶助を行う指定介護機関のうち実地に指導を行うことを要さないものについては、複数の指定介護機関の管理者又はその他の関係者を一定の場所に集合させて行っても差し支えない。また、前年度の個別指導の結果を踏まえ、実地に指導を行うことを要さない指定介護機関のうち引き続き指導の必要があるものについては、書面の提出を受けた上で、指定介護機関の管理者又はその他の関係者を一定の場所に集合させて行って差し支えないこと。

(4)実施上の留意点

  ア 指導の実施に際しては、極力、指定介護機関の業務に支障のない日時を選び、実施の日時、場所等を対象の指定介護機関に文書で通知するものとすること。
   なお、この場合関係団体との連絡調整を行い運営の円滑を期すること。
  イ 実施時期の決定に当たっては、極力、介護保険担当部局等の行う指導の計画等と調整を図ること。

2 指定介護機関に対する検査

(1)目的

 指定介護機関に対する検査は、被保護者に係る介護サービスの内容及び介護の報酬の請求の適否を調査して介護の方針を徹底させ、介護扶助の適正な実施を図ることを目的とすること。

(2)対象

 検査は、個別指導の結果、検査を行う必要があると認められる指定介護機関及び個別指導を受けることを拒否する指定介護機関とすること。ただし、上記以外の指定介護機関であって、介護サービスの内容又は介護の報酬の請求に不正又は不当があると疑うに足りる理由があって直ちに検査を行う必要がある場合は、この限りでないこと。

(3)内容及び方法

 検査は、被保護者に係る介護サービスの内容及び介護の報酬の請求の適否について、介護給付費公費受給者別一覧表等と、介護記録その他の帳簿書類の照合、設備等の調査により実地に行うものとすること。
 なお、必要に応じ要介護者等についての調査を合わせて行うこととすること。

(4)実施上の留意点

  ア 検査の実施に際しては、極力、指定介護機関の業務に支障のない日時を選び、実施の日時、場所等を対象の指定介護機関に文書で通知するものとすること。
   なお、この場合関係団体との連絡調整を行い運営の円滑を期すること。
  イ 実施時期の決定に当たっては、介護保険担当部局等の行う監査の計画等の調整を図るものとすること。

3 検査後の措置

(1)行政上の措置

 行政上の措置は、介護サービスの内容又は報酬の請求の不正又は不当の程度に応じて、指定取消、戒告、注意とする。

(2)聴聞

 都道府県知事は、法による指定介護機関の事故が指定取消の措置に該当するおそれがあると認めた場合は、検査終了後、当該指定介護機関に対して聴聞を行わなければならないこと。
 この場合において、聴聞の手続は、行政手続法第3章第2節に定めるところによるものとする。

(3)経済上の措置

  ア 不正又は不当な介護サービス及び介護の報酬の請求により介護の報酬に過誤払いが認められるときは、都道府県知事は、すみやかに国保連に連絡し、当該指定介護機関に支払う予定の介護の報酬の額からこれを控除させるよう措置すること。ただし、過誤払いが認められた当該介護機関に翌月以降において控除すべき介護の報酬がない場合は、これを返還させるよう措置すること。
  イ 不正又は不当な介護サービス及び介護の報酬の請求があったが、未だその介護の報酬の支払いが行われていないときは、都道府県知事は、すみやかに国保連に連絡し、当該指定介護機関に支払うべき介護の報酬の額からこれを控除させるよう措置すること。

(4)行政上の措置の公表等

 都道府県知事は、検査の結果、指定の取消を行ったときには、法第55条の2の規定に基づきすみやかにその旨を告示するとともに、その介護機関の事業活動区域を所管する保護の実施機関及び国保連に情報提供を行うこと。

第9 施行期日

1 この通知は、平成12年4月1日から施行する。

2 平成11年11月16日社援第2703号本職通知「平成11年度における介護扶助の施行準備事務の実施について」は廃止する。ただし、同通知に基づいて調製された各様式等は、当分の間、これを取り繕って使用して差し支えない。

(様式省略)

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