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障企発第0328002号
障障発第0328002号
平成19年3月28日
(一部改正 平成23年9月28日・障企発0928第2号/障障発0928第2号)


各都道府県障害保健福祉主管部(局)長 殿

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長
障害福祉課長

障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について

 障害者自立支援法(平成17年法律第123号。以下「法」という。)に基づく自立支援給付(以下「自立支援給付」という。)については、法第7条の他の法令による給付との調整規定に基づき、介護保険法(平成9年法律第123号)の規定による保険給付が優先されることとなる。このうち、介護給付費等(法第19条第1項に規定する介護給付費等をいう。以下同じ。)の支給決定及び補装具費の支給に係る認定を行う際の介護保険制度との適用関係等についての考え方は次のとおりであるので、御了知の上、管内市町村、関係団体及び関係機関等に周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏のないようにされたい。
 本通知の施行に伴い、平成12年3月24日障企第16号・障障第8号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長、障害福祉課長連名通知「介護保険制度と障害者施策との適用関係等について」は廃止する。
 なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。

1.自立支援給付と介護保険制度との適用関係等の基本的な考え方について

(1)介護保険の被保険者とならない者について

 障害者についても、65歳以上の者及び40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、原則として介護保険の被保険者となる。
 ただし、次の[1]及び[2]に掲げる者並びに[3]〜[12]の施設に入所又は入院している者については、[1]〜[12]に掲げる施設(以下「介護保険適用除外施設」という。)から介護保険法の規定によるサービス(以下「介護保険サービス」という。)に相当する介護サービスが提供されていること、当該施設に長期に継続して入所又は入院している実態があること等の理由から、介護保険法施行法(平成9年法律第124号)第11条及び介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第170条の規定により、当分の間、介護保険の被保険者とはならないこととされている。
 なお、介護保険適用除外施設を退所又は退院すれば介護保険の被保険者となり、介護保険法に基づく要介護認定又は要支援認定(以下「要介護認定等」という。)を受ければ、これに応じた介護保険施設に入所(要介護認定を受けた場合に限る。)し、又は在宅で介護保険サービスを利用することができる。

 [1] 法第19条第1項の規定による支給決定(以下「支給決定」という。)(法第5条第6項に規定する生活介護(以下「生活介護」という。)及び同条第11項に規定する施設入所支援(以下「施設入所支援」という。)に係るものに限る。)を受けて同法第29条第1項に規定する指定障害者支援施設(以下「指定障害者支援施設」という。)に入所している身体障害者

 [2] 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第18条第2項の規定により法第5条第12項に規定する障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。以下「障害者支援施設」という。)に入所している身体障害者

 [3] 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第43条の4に規定する重症心身障害児施設

 [4] 児童福祉法第7条第6項の厚生労働大臣が指定する医療機関(当該指定に係る治療等を行う病床に限る。)

 [5] 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成14年法律第167号)第11条第1号の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設

 [6] 国立及び国立以外のハンセン病療養所

 [7] 生活保護法(昭和25年法律第144号)第38条第1項第1号に規定する救護施設

 [8] 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第29条第1項第2号に規定する被災労働者の受ける介護の援護を図るために必要な事業に係る施設(同法に基づく年金たる保険給付を受給しており、かつ、居宅において介護を受けることが困難な者を入所させ、当該者に対し必要な介護を提供するものに限る。)

 [9] 障害者支援施設(知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第16条第1項第2号の規定により入所している知的障害者に係るものに限る。)

 [10] 指定障害者支援施設(支給決定(生活介護及び施設入所支援に係るものに限る。)を受けて入所している知的障害者及び精神障害者に係るものに限る。)

 [11] 法第29条第1項の指定障害福祉サービス事業者であって、障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第2条の3に規定する施設(法第5条第5項に規定する療養介護を行うものに限る。)

 [12] 法附則第41条第1項によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同項に規定する身体障害者更生援護施設(法附則第35条の規定による改正前の身体障害者福祉法第30条に規定する身体障害者療護施設に限る。)(法附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日の前日までの間に限る。)

(2)介護給付費等と介護保険制度との適用関係

 介護保険の被保険者である65歳以上の障害者が要介護状態又は要支援状態となった場合(40歳以上65歳未満の者の場合は、その要介護状態又は要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身上の変化に起因する特定疾病によって生じた場合)には、要介護認定等を受け、介護保険法の規定による保険給付を受けることができる。
 その際、自立支援給付については、法第7条の他の法令による給付との調整規定に基づき、介護保険法の規定による保険給付が優先されることとなるが、介護給付費等の支給決定を行う際の介護保険制度との適用関係の基本的な考え方は以下のとおりであるので、市町村は、介護保険の被保険者(受給者)である障害者から障害福祉サービスの利用に係る支給申請があった場合は、個別のケースに応じて、申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスにより適切な支援を受けることが可能か否か、当該介護保険サービスに係る保険給付を受けることが可能か否か等について、介護保険担当課や当該受給者の居宅介護支援を行う居宅介護支援事業者等とも必要に応じて連携した上で把握し、適切に支給決定すること。

 [1] 優先される介護保険サービス
  自立支援給付に優先する介護保険法の規定による保険給付は、介護給付、予防給付及び市町村特別給付とされている(障害者自立支援法施行令(平成18年政令第10号)第2条)。したがって、これらの給付対象となる介護保険サービスが利用できる場合は、当該介護保険サービスの利用が優先される。

 [2] 介護保険サービス優先の捉え方
  ア サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、基本的には、この介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなる。しかしながら、障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。
   したがって、市町村において、申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること。
   なお、その際には、従前のサービスに加え、小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスについても、その実施の有無、当該障害者の利用の可否等について確認するよう留意する必要がある。
  イ サービス内容や機能から、介護保険サービスには相当するものがない障害福祉サービス固有のものと認められるもの(同行援護、行動援護、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援等)については、当該障害福祉サービスに係る介護給付費等)を支給する。

 [3] 具体的な運用
  [2]により、申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスにより必要な支援を受けることが可能と判断される場合には、基本的には介護給付費等を支給することはできないが、以下のとおり、当該サービスの利用について介護保険法の規定による保険給付が受けられない場合には、その限りにおいて、介護給付費等を支給することが可能である。
  ア 在宅の障害者で、申請に係る障害福祉サービスについて当該市町村において適当と認める支給量が、当該障害福祉サービスに相当する介護保険サービスに係る保険給付の居宅介護サービス費等区分支給限度基準額の制約から、介護保険のケアプラン上において介護保険サービスのみによって確保することができないものと認められる場合。
  イ 利用可能な介護保険サービスに係る事業所又は施設が身近にない、あっても利用定員に空きがないなど、当該障害者が実際に申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用することが困難と市町村が認める場合(当該事情が解消するまでの間に限る。)。
  ウ 介護保険サービスによる支援が可能な障害者が、介護保険法に基づく要介護認定等を受けた結果、非該当と判定された場合など、当該介護保険サービスを利用できない場合であって、なお申請に係る障害福祉サービスによる支援が必要と市町村が認める場合(介護給付費に係るサービスについては、必要な障害程度区分が認定された場合に限る。)。

(3)補装具費と介護保険制度との適用関係

 補装具費の支給認定を行う際の介護保険制度との適用関係についても、基本的な考え方は(2)の[1]及び[2]と同様であるが、具体的には以下のとおりである。
 介護保険で貸与される福祉用具としては、補装具と同様の品目(車いす、歩行器、歩行補助つえ)が含まれているところであり、それらの品目は介護保険法に規定する保険給付が優先される。ただし、車いす等保険給付として貸与されるこれらの品目は標準的な既製品の中から選択することになるため、医師や身体障害者更生相談所等により障害者の身体状況に個別に対応することが必要と判断される障害者については、これらの品目については、法に基づく補装具費として支給して差し支えない。

2.その他

(1)介護保険サービスが利用可能な障害者が、介護保険法に基づく要介護認定等を申請していない場合は、介護保険サービスの利用が優先される旨を説明し、申請を行うよう、周知徹底を図られたい。

(2)法施行前の身体障害者福祉法等による日常生活用具の給付・貸与事業において、介護保険による福祉用具の対象となる品目については、介護保険法の規定による貸与や購入費の支給を優先して行うこととされていたところであるが、法における地域生活支援事業については自立支援給付とは異なり、地域の実情に応じて行われるものであり、法令上、給付調整に関する規定は適用がないものである。
 しかしながら、日常生活用具に係る従来の取り扱いや本通知の趣旨を踏まえ、地域生活支援事業に係る補助金の効率的な執行の観点も考慮しつつ、その適切な運用に努められたい。

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